3/14/2017

[pol law] 強弁と虚言の稲田朋美防衛大臣を擁護する首相・与党の狂気

森友学園を巡り、その右翼的な方針・姿勢等への共感ぶり等から、かねてより疑われて来たところの現政権またその閣僚の面々の関与、その疑惑について、これまでは直接の関与は疑われつつもかろうじて疑惑に留まっていたところ、ようやく確たる証拠が明らかになったようですね。

今回森友学園との関係が明らかになったのは、稲田朋美防衛大臣です。報道によれば、10年余り前、学園が提起した訴訟につき当事者の訴訟代理人として出廷した記録が呈示されたとの事。訴訟代理の引受については従来より疑われ、当然に国会の場で追求もされて来たところ、あくまで名前を貸しただけで実際には代理しておらず、従って関係はない、との苦しい答弁をしていた事は周知の通り。しかし今回の記録は森友学園を代理しての出廷記録ですから、実際に訴訟を代理した事を直接に示すものに他ならないわけです。本件記録が全くの虚偽もしくは誤りであったとかいうのでない限り、言い逃れのしようもないでしょう。

これにより稲田氏本人については、10年以上前から法人としての森友学園の訴訟代理を引き受ける程に密接な関係にあった事が明らかになってしまいました。これまでの発言が虚偽であった事も加えれば、本件疑惑の主たる要素であるところの国有地の不自然な程の廉価での売却や異常に速い認可手続等、不正・不法行為への関与の疑惑も決定的なものになった事もまた明らかです。

そして、これまで稲田氏同様に関与が疑われてきたところの、安倍首相本人をはじめとする自民党内で右派に属するとされる面々についても、連鎖的に疑惑が決定的に強まる事は避けられないだろうし、また同時に彼らを擁護すべく籠池理事長らの国会招致等の追求を妨害して来た与党への疑惑もまた生じざるを得ないものと思われるわけです。あれですよね、自民党の面々はこの辺全部知ってたんでしょう?本件はもとより国の財産に絡む話で、問題の重大さも明らかなのにも関わらず、その調査すら頑なに拒絶する様は異様と言うしかないものでしたし、知らなかったとは到底考えられない動きでしたから。

少なくとも、これからしばらくの間は本件問題が鎮まる見込みはないだろうところ、そこでは一体どのような事実が明らかになるのか、流石に注目せざるを得ないのです。

また周知の通り、同学園については国有地を巡る財産的な不正の他にも、その教育方針、すなわち同法人が経営する幼稚園での教育勅語暗唱に代表されるところの戦前回帰的な天皇主権思想及び全体主義に立脚し、人種差別をもあからさまに是とする洗脳教育について、違憲の疑いが強く指摘されるところです。現政権の多くが多かれ少なかれ同様の右翼的なスタンスを取っている事から共感を示して来た事もまた周知の事実であり、その意向が強く反映された改憲を図る動きも鮮明となっている現状、本件の行く末は、この種の極右的教育とそれを後押しする政治家らの思想・姿勢、それに基づく今後の憲法はじめ法のあり方について、決定的な意味を持つ可能性がある、と言えるのではないでしょうか。その意味で、イデオロギーに関する話だからと議論を避けるのではなく、この機会に諸々の問題について正面から追求がなされる事を期待したいと思うのです。教育勅語を斉唱する幼稚園児とか、この種の思想の狂気をわかりやすく見せる例が出来た事ですしね。

そういえば、稲田氏はこの問題に関連して、教育勅語の肯定を公言していたのでした。"朕惟フニ・・・"で始まり、"我カ臣民・・・"等と、明らかに天皇主権と全体主義に塗れ、戦前・戦中の狂気を象徴する本令を、事もあろうに公の教育を通じて幼児に刷り込む、その行いを肯定した事になるわけです。その意味を十分に理解しての発言なのか、そうでないのか、いずれにせよ個々の人権を普遍的なものとして尊重する意思が多少でもあるのなら、少なくとも教育の場に持ち込んで良いものではない事位わかりそうなものですが、その分別もつかないという事自体が、氏とその振る舞いを肯定する現政権の狂気を証明しているものと言うべきなのでしょう。恐ろしくも残念な事です。