2/12/2017

[note] 車のバッテリー交換で下手を打ってひどい目に

先日、自動車のバッテリーを交換したんですが、少し横着をしたら面倒な事になってしまい、その修正に結構な手間がかかってしまった、という事がありまして。反省の念を込めて、メモを残しておこうと思うのです。

対象は、2013年型デミオ。Skyactiv対応車です。バッテリーの型格はQ-85のD23L。当然ながらアイドリングストップ対応、という事で、結構大きいタイプです。幾つかある候補の中から、最も性能ランクが高く、それでいて価格は大手メーカー製の中では安い部類のBOSCH製のもの(HTP-Q-85/115D23L)を選択しました。後にして思えば、大手メーカー製なら大丈夫だろう、というこの安直な選択がトラブルの原因の一つになったわけですが、それはともかく。特に問題もなく入手出来たわけです。


合わせて定番の工具類を準備します。アイドリングストップ関連とか諸々の設定がリセットされてしまうと再設定等が面倒なので、メモリ保持用の電源を準備。定番のエーモン製No.1686のメモリバックアップを使います。1.5Vx6で9V。バッテリーの定格である12Vに足りないのは少し不安に感じますが、メモリ云々が問題になる部分はまず9V以下だからこれで十分、という事なのでしょう。


先日修理した充電器で補充電もして、作業開始。


短絡防止のカバーで覆われているプラス端子と、剥き出しのマイナス端子とにそれぞれバックアップ電源のクリップをつなぎます。プラス側はスペースに余裕がありませんが、なんとか手前のボルトの部分に噛ませる事が出来ました。しかしポロッと外れそうで不安です。


しかるのちに、セオリー通り、マイナス側から外します。うっかりプラス端子側にレンチをぶつけて短絡させないように注意しつつ。


プラス側も外して、ケーブル類を脇にどけます。ここでも短絡させないようにプラス側の端子は注意。といって、プラス側にはシャーシの金属部分は殆どないので、どちらかというとクリップが外れないようにする方が気を使う感じでしょうか。バッテリーを出し入れする時にぶつけると簡単に外れちゃいそうですから。


端子と上部のステーを外した後、ケーブル類にぶつけないよう気を使いつつ、バッテリーを引っ張り出します。しかし流石に18kgは重い!


で、交換用バッテリーを入れて、逆に作業すればOK、の筈だったんですが。。。何かバッテリーの下部がハウジングにひっかかって、ちゃんと収まってくれません。それでも何とか強引に押し込み、ステーを少し曲げて固定する事は出来たものの、ハウジングは歪んでますし、ステーのボルトも下まで締まり切っていません。これ以上閉め込むと、樹脂部分が割れかねない感じだったので、ある程度抵抗を感じるようになったところで止めたのですが、とても不格好ですし、ぐらついたりはしないとは言っても重量物なだけに不安も残ります。


なので、一旦外して調整する事にしました。が、ここで追加のトラブル。持ち上がりません。入りにくいところを無理に押し込んだために、今度は引っ張り出す際に強い引っ掛かりが発生するようになってしまっていたのです。

よくよく見ると、片側のステー(上図画面右側)のハウジングの内側部分には縦長のゴムの緩衝材が貼られていて、これがバッテリー本体下部の出っ張りに噛み込んでしまっており、それが強い摩擦抵抗を生じさせていたのでした。これを緩めないとどうにもならない、という事で、バッテリーとハウジングの間に金棒を差し込み、ステーとバッテリーの間に隙間を作ってその噛み込みを緩めつつ引っ張り出す事にしたのですが、元々のバッテリーの重量が大きいのに加え、バッテリーが車体の奥側にある事もあって、これは相当な重労働でした。多少緩めてもまだ摩擦は大きく、一気に持ち上げる事は殆ど不可能な状態ですから、噛み込みが発生しない高さに到達するまで、数mmから数cmずつ位、少し持ち上げては指で保持して休憩、を繰り返す必要があったのです。

ひいひい言いながらも慎重かつ根気よく進め、最終的には何とか苦労して取り出す事に成功したわけですが、、、正直言って、個人的にはもう二度とやりたくありません。そこそこ以上の体格(上背)と、腕力、握力、背筋力等の筋力が必須で、それでも下手をすれば腰や腕を痛めかねませんし、持ち上げている途中で落下させたりすると車体にダメージが発生するリスクもあります。なので、そもそもこのような事態にはならないよう、あらかじめ後述のような措置を取っておくべきところでしょう。途中で気づいた時も、迂闊に押しこんだりすべきではなかったのです。

で、そもそもこの噛み込みの発生原因なんですけれども、これはバッテリーの外側の形状、具体的には下部の出っ張りによるものでした。下図だとわかりにくいかもしれませんが、山状の出っ張りがあるんですね。実はこれ、基本的に海外メーカー製品にのみ存在するもので、国内メーカー製だとないらしいのです。何でも国内だと上からステーで囲んで固定するのに対し、海外だとこの出っ張りをステー等に引っ掛けて固定する方法が主流だからなんだとか。国内車にはやはり国内メーカー品の方が相性がいい、という事で、言われてみれば自然に思えるわけですが、この種の部品類は標準化されているものが大半な昨今、型番に現れない仕様の違いがあるとは思いませんでした。油断なりませんね。

 

そういう事情はともかく、修正の方法は2つです。バッテリーの出っ張りを削るか、ステー側の緩衝材を削るか。少し考えて、ステー側を削ると、今後国内メーカー製品に交換する事になった場合によくないだろう、というわけで、バッテリー側を削る事にしました。干渉する側(端子と反対側)の出っ張りを、側面と同じ位の高さになるまで、適当にカッターで削り落とします(下図)。反対側にはステーに緩衝材が取り付けられておらず、特に問題なさそうではありましたけれども、念の為同様に削り落としました。


しかるのちに再設置します。今度は引っ掛かる事もなく、すんなり底まで収まりました。ステーを固定する際にハウジングが歪む事も、ボルトが浮く事もありません。先程までの苦労が嘘のようです。やはり事前の寸法確認(と調整)は必須と再認識しつつ、固定した後、端子を接続(プラスが先)して、腐食防止のためにグリスアップして取り付け完了。一通り動作確認等をしたところ、メモリーバックアップは正常に動作していたらしく、諸々の設定は全て保持されていました。というわけで、修正完了です。


しかし疲れました。まさかバッテリーの形状面でこんなひどい相性があるとは。。。互換性については、大手メーカー製だからと高を括らず、個別によくよく注意して調べておかないといけないという事ですね。迷ったら国内メーカー製、というのがやはり無難でもあるんでしょう。ただ、マツダ車は欧米でもよく販売されていて、mazda2ことデミオもそれは同様の筈なのに、何故にこんな国内特化的な仕様になっているのでしょう。緊急でバッテリーを交換しなければならなくなった時に海外品しかなかったら困った事になりそう、と言っても、全く取り付けられないわけではないから、そこまで致命的な話でもないという事なんでしょうか。謎です。というわけで、ひっかかるものを感じながらも色々と反省しつつ、今回はこれでおしまい。

(追記)

バッテリー交換後はi-stopのリセット等をした方がいい、という話を聞きまして。公開されているシークエンスに従って作業をしてみたんですが、何故か上手く行きません。アイドリングストップは普通に動作している様子なので、さしあたり問題があるわけではないのですけれども、アイドリングストップの動作回数等に応じて警告が出る仕様になっているというし、少し落ち着かない気分です。どうしたものか、と思案中。素直にディーラーに行けばいいって話なのかもしれませんが、ここまでやったのだから自分で何とかしたい気持ちも。うーん。

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