2/11/2017

[note] 2台"同時"操作可能な変態キーボードTK-DUX51BK

久々にキーボードを購入しました。店頭で触ってみて、タッチが気に入ったので。

型番はTK-DUX51BK、ELECOMが販売しているDUXという安価ながらプログラマブルなゲーム用入力機器シリーズのうち、USB接続とは別に無線接続機能も備えていて2台同時に操作出来るという、ちょっと聞いたことのない変わった仕様を持つキーボードです。

箱はこんな感じ。素っ気ない段ボール箱です。


 本体。赤い編み込みで被覆されたケーブルが高級感を感じさせます。と言っても見た目だけな感じではありますけれども。


 無線接続用のドングルは、裏面にひっそりと嵌め込まれていました。


本機は、厳密に言えば店頭販売されているのとは型番の数字の一桁目が異なる(店頭販売だと"0")別機種なのですが、キーの形状や構造は同じ、ということで。何でも、一桁目が"0"のは同時押しの対応範囲がエリア限定なのに対し、本機種等"1"のものは全キー同時押し対応なんだとか。その差は、ゲームに使うなら強い意味を持つんでしょうけれども、ゲームをやらない私には関係のない話なのです。

なので、私としてはどちらでも良かったんですが、何故か上位版の筈の"51"の方が実売価格が安いのですね。同時押しの仕様以外の差異は化粧箱入りか否か位なのですが、その箱代という事なんでしょうか。店頭販売されているのは専ら"0"系な辺り、パッケージングはそれなりに大事という事なんでしょう。無地の段ボール箱だと、アウトレット的な感じが漂いますし。

なお、型番の数字の2桁目が"3"のモデルもあるんですが、こちらは無線接続がないモデルで、当然ながら一台だけしか操作出来ません。別にこれでも良かったんですが、これがまた不思議なことに"51"と実売価格が殆ど変わらないのです。なら、2台同時操作機能がある方がいいかな、と。

で、一通り使ってみた感想ですけれども。いいですねこれ。まず何よりも重要なタッチについては、ストロークは深めで加重はかなり軽い部類です。押し始めに軽い抵抗があり、その後スコッと抜ける感触というか。ラバードームのクリック感はあるけれども、抵抗が小さいため、パコパコというよりはシャカシャカに近い感じのタッチです。キーを押す際、ひっかかりや軋みは感じられません。押す角度がズレても大丈夫。その加重の軽さと相俟ってストレスは非常に小さく、疲労しにくい、従って文章作成やプログラミング等、長時間の入力作業に適したタッチのキーボードと言えるでしょう。とても良いです。

ただ、メンブレンスイッチである以上、キーを押し込み切る必要があるところ、ストロークが深い点は速度面で多少なりとマイナスに働く事は間違いないし、キートップは若干狭めのデザインなので、その辺が合わないという人もいるかもしれません。あと本体に鉄板等は入っておらずとても軽いので、ストロークの深さも関係してかガタガタと揺れ易い点も、剛性や安定感を求める向きは不満を感じる事もあるでしょう。

キーボードとしてはそんな感じです。疲れにくさを重視するというか、とにかく軽くてストレスの少ない、昔の富士通製に似たようなキーボードを求める向きには、一つの選択肢となり得るかもしれません。

次に、2台同時操作機能についてですけれども。こちらも悪くないですね。ただ、2台同時操作と聞いて、KVMのようにボタンで操作先を切り替えるような使い方を想定していたところ、デフォルトではそのような使い方が出来るようにはなっておらず、設定にちょっと手間取りました。

というのも、"2台同時操作" というのは文字通りの機能だったのです。接続先の2台のPCをそれぞれPC1、PC2とすると、各キーを押した時に、PC1とPC2とに同時に入力がされるのです。で、設定ツールから、各キー押下時にPC1に入力される文字(もしくは実行されるマクロ)と、PC2に入力される文字(マクロ)をそれぞれ自由に変更出来るようになっている、というものでした。その設定は、本体右上部の5つのボタン(P1からP5)に対応して5セット(プリセット)設定出来るようになっていて、プリセット間の切替をそのP1からP5のボタンを押す事で行う、という仕様なのです。

デフォルトでは、PC1について各キーに通常のキーボードレイアウト通りの入力が割り当てられ、PC2については何も割り当てられていない(したがって、キーを押してもPC2には入力されない)状態になっています。私が当初考えたように、操作先を切替えて使う、という場合には、あるプリセットではPC1側にのみ入力されるように各キーを設定し、別のプリセットではPC2にのみ入力されるように各キーを設定する、というように、手作業で各キーの挙動を設定してやる必要があったのです。これは結構面倒でした。何せ、全キーについて、PC1側には無効を、PC2側にはレイアウト通りのキーを、といったように一つずつ割り当てて行く必要があるのですから。

そして、公式の提供しているマニュアルはとても不親切です。KVMのような使い方をするには、上記のようにプリセットを設定するのだ、という事を理解するまで、結構な試行錯誤を必要としました。もっとも、各キーを押すと2台同時に入力が飛び、かつその入力内容を対象別に任意に入れ替え可能、などという仕様自体が例のない、おそらくは誰も想定していないだろうものなので、たとえ親切かつ丁寧な記述がなされていたとしても、理解出来るまではそれなりの時間を必要としただろうとは思うのですけれども。本当、どうしてこんな仕様に、というか、どういう意図で作ろうと思ったのか謎です。

ともあれ。設定出来てしまえば、これは中々に便利です。普通に一台のキーボードで2台を操作する事が出来るのだから当然ですけれども。設定は面倒ですが、その手間をかける価値は十分にあると言えるでしょう。ただ、あまりに変態的な仕様である事も間違いありません。世の中で、このようなキーボードを求める需要がそれほどあるとは考えづらく、果たして何時まで販売を継続出来るのか、と懸念を抱かざるを得ないのです。タッチは秀逸と言えるレベルにあるだけに、出来れば末永く販売され続けて欲しいとは思うのですけれども。さて。