11/01/2016

[biz law] ゴキブリ以前にハエも混入、嘘と隠蔽を重ねたはごろもフーズ

シーチキン缶へのゴキブリ混入につき隠蔽しようとした事が発覚し、なおも回収等の対応採らず放置を続けるはごろもフーズですけれども、同製品で過去にハエの混入が発生し、同社も認識していたにも関わらず、それを隠蔽していた事が発覚したそうです。写真付きで。

ハエの混入があったのは、2014年に同じ工場で生産された製品。同年に消費者が発見し、同社が調査したところ加熱の痕跡もあったため、先日のゴキブリの件と同じく生産過程で混入したものと認識していた、というのです。で、それを公表せずに隠蔽し、先日の件も同様に隠蔽しようとしたところ失敗し露見、そこからさらに本件も、件の消費者が当時撮影していた写真をマスコミに持ち込んで発覚、というのが経緯のようです。まさに因果応報というところでしょうか。
 
同社は前回のゴキブリ混入の際、混入の報告事例はその一件のみであり、その他には報告がないと説明し、それを理由に、他に混入はなく、従って回収等の対応は不要である、として、同社の常識外れと言うべき対応を正当化していたところでした。しかし、実際にはその説明の時点で複数事例の発生を把握しており、にも関わらずあえて虚偽の説明をした、という事になります。他にはない、と断定したその言い分自体も常軌を逸した到底理解し難いものでしたが、それすらも虚偽だったとは恐れ入ります。

というか、隠しおおせると本気で思ってたんでしょうか。実際に混入が起こり得た環境を長期間に渡って放置し、その環境下で生産を続けていた以上、混入が一回だけであったと考えるべき理由はなく、むしろ逆であり、それなりの頻度で発生していただろうものと推測されるところであって、実物が消費者の手に渡ってしまった後では、いくら同社が無視を試み、あるいは詭弁や強弁を弄したところで何の意味もなく、発覚は時間の問題に過ぎない事も分かり切っていた筈なのに。

もとより同社には、後始末を可能な限り上手く行う以外に取りうる手立ては存在しなかった筈です。すなわち、従来のこの種の不良品発生の例と同様、可能な限り速やかに非を認めて被害者に償うとともに、被害の拡大を防止する事で、誠実な姿勢を示し、それによって信頼の回復を図るべきでした。第三者も基本的にそうして当然と考えていたところ、対応を拒絶したために驚愕し、多数の消費者が反発してもいたわけです。

が、同社は、本来為すべき対応をするどころか、この期に及んでコメントすら拒否しているそうで。虚偽に虚偽を重ねた事がバレて、言い逃れのしようもないだろうところ、もはやその事を謝罪する以外に道はないと思うのですけれども、まさかここからさらにバックレるつもりなんでしょうか。だとしたら凄いですね。意味がわからないし、事業を続けるつもりがあるのかすら疑問であると言わざるを得ません。

隠蔽や虚偽の説明をした事への責任云々は一旦おくとしても、少なくとも、複数ではないから他にはなく回収は不要、と説明していたのは他ならぬ同社であって、複数の混入が確認され、その前提が誤りであった事が明らかになったのだから、被害者に対して相応の対応をするべきところな筈です。まさかハエとゴキブリは別、とでも言うつもりなんでしょうか。それとも、自身のした説明に責任を負う気すらないという事なんでしょうか。

CRMって何?と言わんばかりの、現代の大手企業のそれとは到底理解し難く、もはや反社会的とも評価し得るだろうその振る舞いには、唖然として言葉もないわけです。いやもう頭おかしいでしょう。どうなってんのこの会社。何がどうすれば今時こんな、不誠実という表現すら不足に思える酷い対応が出来るのか、逆に興味が湧いたりもするわけですが。。。流石に笑う気にはなれませんね。

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