5/06/2016

[note] Lubuntuはやはり軽くて良いけれど

16.04LTSのリリースからしばらくして、それに対応したLXDEによる軽量化環境のlubuntu-desktopもリリースされたので、久しぶりに使ってみました。対象はノートPC2台、内一台はクリーンインストールでもう一台は元々入れてあったUbuntu16.04LTS上でのモジュールのみの追加インストールからの切替です。

なお後者の切替元の環境はcairo-dockです。無駄に画面を占拠するUnityは論外として、cairo-dockは良く出来てると思うんですが、兎にも角にもリソースを食うのが欠点なのです。topで見ると四六時中CPUを使ってるんですよね。特に操作してるわけでもないのに、一体何をやってるのかと不思議に思うと共に、その無駄の多さにはいささか辟易とするところもあって。なのでもういい加減デスクトップ環境は何処も安定してる筈だし、と軽い方に心機一転切替えてみようかと思ったわけです。

インストール自体は特に言うこともありません。クリーンインストールはddでisoを書き込んだUSBメモリからインストーラーを起動して、指示に従い数十分で終了。切替えについても、端末から

> sudo apt install lubuntu-desktop

で入れて、再起動後にgdm等マネージャの環境選択リストから切り替えてログイン、で完了。特にトラブルらしいトラブルもありません。いい時代になったものです。

使ってみると、まず見た目はお世辞にも良いとは言えません。果てしなく古臭さを醸し出すバーのグラデーションとか、何故この色?このパターン?と首をひねる他ない壁紙とか、見た目は非常に時代遅れというかとても野暮ったいし、ウィンドウの挙動もスムーズとは言い難く、スタイリッシュさとかデザイン性の面での配慮は欠片も感じさせません。私がLubuntu環境を使うのはもう何年も前にLooxUに試しに入れた時以来ですけれども、全く進歩が見られないのは感心すべきか呆れるべきか。とりあえず、themeをデフォルトのOnyxからNaturaに変更しました。

しかし、肝心な部分、すなわちデスクトップ環境としての動作・機能は問題ないし、確かに軽い。メモリ消費は最小限です。cairo-dockのように裏でこっそり大量のリソースを消費するプロセスも見当たりません。これはやはりとても良いですね。というより、単なるランチャーの癖に気がつくとGbytes単位でメモリを消費しているcairo-dockがおかしいって話なんでしょうけれども。

とはいえ環境内には問題も色々と見られます。見た目が今一つなのはいいとして、端末のフォントとその色がデフォルトでは極めて見づらいのは頂けません。即はっきりした等幅フォントかつ輝度の高い白色に変更して解決しましたが、何故あのような設定なのか全く以って解せないわけです。

ログイン時の各種常駐プログラムの自動起動設定も、 設定用のGUIが無く、手動で~/.config/autostart以下等をいじる必要があったのも面倒でした。切替の場合だと元々autostartフォルダがあったので、その中の.desktopファイルの取捨選別をしたわけですけれども、これがクリーンインストールの場合だとautostartフォルダ自体が存在しないため、それを作成する所から始める必要があったのも頂けません。~/.config/lxsession/LXDE/autostart等、別途設定項目もあって、優先順位とかどうなっているのかも今ひとつ不明ですし。

また、明らかな不具合もありました。 一定時間非使用時のセッションロックに関連して、ディスプレイがオフの状態から復帰する際に時々マウスカーソルが消える不具合があり、ならばとロックを無効に設定変更すべく設定ツール(light-locker-settings)を起動しようとすると、これが起動しません。

調べてみるとこれもバグで、下記の通りlaunchpadにも報告が上がっていました。
 light-locker-settings does not start
上記報告中のパッチ情報に従って、下記の通りスクリプトの219行目と234行目を修正する事で解決、設定ツールが起動可能になりましたが、ちょっとあり得ないバグだと思います。何故にこんな事が起こるんでしょうね?

<セッションロック設定ツール所在>
 /usr/share/light-locker-settings/light-locker-settings/light-locker-settings.py

<セッションロック設定ツール修正箇所・修正内容>
 219,234行目をそれぞれ下記の通り修正
  (元)  for pid in psutil.get_pid_list():
 (修正後) for pid in psutil.pids():

他にも、私が常用しているランチャーのlaunchyについて、ログイン直後は普通に使えるのに、しばらく時間が経つと使えなくなる(プロセスは生きているが、ショートカットを押してもウィンドウが表示されない)という不具合もありました。autostart回りを色々と整理した所、それなりにマシになったようではあるのですが、なくなったわけではないし、原因も今ひとつはっきりしません。なんとも気持ち悪いのです。何処かのプロセスがショートカットを横取りするのかと思うんですが、何故そうなるのやら。

他にも色々と。それらを一つ一つ潰す手間はかかりますが、それを一通り終えてからの使用感は非常に良いと思います。 余計な事をしていないからか、安定性は非常に高いですし、やはり軽いは正義です。

とまあ、総じてやはりそれなりに自分で設定やworkaroundが出来る人でないと使えそうな気がしない不親切な環境ではありますけれども、とにかくリソースの最適化をしたいという向きには必要十分ではあるのでしょう。いい環境なんですけどね。ともあれ、もうしばらく使ってみて、問題なければ他のPCも切替えてしまおうかと思った次第です。というわけで今回はこれでおしまい。

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