4/04/2015

[law] 米Californiaにてリベンジポルノサイト運営者に禁錮18年の有罪判決

が言い渡されたんだとか。被告はCalifornia州SanDiego在住のKevin Bollaert、年齢は28歳。数千枚の男女のプライベートかつ性的な写真を本人の承諾なく投稿・掲載するサイトugotposted.comを運営し、多数の名誉を傷つけ、甚大な社会的損害を与えた容疑とのこと。

性的関係にあった男女が離別した後、一方が他方への復讐のためその保有する性的写真を公開する所の所謂リベンジポルノ自体はもう随分昔からよくあった事ではありますが、意外にもというか、この手のサイト運営者が罪に問われ、有罪になったのは今回が初めての事なんだそうです。

無論この手の犯罪において一義的に罪に問われるべきは公開者なわけで、その手段に過ぎない投稿サイト並びにその運営者は、違法ファイル公開等の場合と同じく、基本的にそれ程有責性が高くはないわけです。少なくとも、その種の公開行為がサイト上で行われたからと言って、必ずしも罪に問われるものではなく、問われても悪意のない、間接的な幇助がせいぜいといったところです。これは自然な事、というか、そうでなければfacebookやtwitter、instagram等の写真投稿機能のあるSNSサイトはおよそ運営に甚大な支障を来し、あるいは存在自体が困難になるでしょうから、妥協の結果、責任はある程度軽減されているわけです。

にも関わらず、本件被告が禁錮18年もの重い刑を課されまでした、という事は、余程特異で、悪質だった、と言えるでしょう。果たしてそれはどんなものか、と一通り報道をさらって見たところでは・・・流石にこれはいかんだろうと。

まず第一に、このサイトの体裁がまさにリベンジポルノの実行に特化されている事が明白らしい点。具体的には、投稿フォームには"Post Nude"とあり、かつ写真の投稿時に、被撮影者の名前やfacebookページへのリンクの入力が促されていて、当然ながら入力された情報は写真とセットで表示されます。復讐目的とは限りませんが、少なくとも悪意は明白で、幇助罪に問われる事も避けられないでしょう。しかもこれだけではありません。

第二に、同容疑者は、本件サイトとは別に、本件サイト上の投稿の削除を有料(~$350)で請け負うサイトchangemyreputation.comを運営していたというのです。マッチポンプというか、犯罪を幇助して、その被害者からも金銭を奪っていた、というわけですが、強盗が盗品を持ち主に売りつけるが如き、というより、被害が回復され得ない分遥かに酷い鬼畜ぶり、しかもそれをネットという公開の場で行う異常性には、戦慄を禁じ得ません。そりゃそれ位の刑が課されてもおかしくないだろう、と、納得せざるを得なかった次第なのです。こちらの方がより直接的には悪質と評価されたんじゃないでしょうか。

ただ、やはり色々とちぐはぐで、釈然としない点も残ります。特に事の重大さに比較してその低い報酬額とか。その点から逆に考えれば、本人は一般のネットビジネスのそれと同じようなつもりで行っていたのかもしれませんが。。。もっとも、例えそうだとしても被害者にしてみれば洒落にならないわけで、実際、Bollaert被告と本件の行いをして、とても人間とは思えない、といった旨のコメントしている人もいるそうです。やはり本場の犯罪者は、頭のネジの飛び方もスケールが違う、という事でしょうか。恐ろしい事です。予防しようと思えば、恋人相手にもその種の写真を撮影させない位しかしようがないわけですけれども、人によっては難しいんでしょうしね。日本ではまさか、と思いたい所ですが、流出自体が起こり得ないわけでもないし、油断は禁物かもしれません。いやはやなんとも。

California man gets 18 years for US 'revenge porn' site