4/24/2013

[IT biz] APの偽ツイートに市場が盛大に釣られる

へえー。APのTwitterアカウントが乗っ取られた件で、あろうことか"ホワイトハウスが爆破されてオバマ米大統領負傷"などという嘘ツイートが流され、その瞬間各市場が急落して一分後には元に戻り、要するに一部の大口機関投資家が盛大に釣られて涙目、という事件があったんだそうで。

これはなかなか興味深い現象です。変動時間の短期性と動きの急峻さからすればまず間違いなく主犯はRobot Tradingで、それに気づいた周囲が慌てて修正に走った、大筋はおそらくそういう流れでしょう。ただ、本件の誘因はあくまでTwitterに入力された嘘ニュース、すなわち文字情報なのであって、これがいかなる経緯で市場への売り行動に繋がったのか、それは当然ながら当事者の機密にあたりますから外部からは推測するしかないのですけれども、この即応性、またここまで明らさまな嘘をそうと判別出来ない愚かさ加減からすれば、文章の意味認識とその評価までもがAlgorithmに組み込まれていて、人間が介在しないままにTrading Robotが本件嘘ツイートに釣られた可能性が相当に高そうに思われるわけです。

もしそうなら、それは膨大な資産を預かるメジャープレイヤーが、市場取引にあたって範囲は不明ながら少なくとも今回動いた部分では人間の責任者は事後的にチェックをするに止まり、実世界の情報収集からそれに基づいた判断および意思決定に至るまで、およそ取引に関する行為を全面的にプログラムに委任しているに等しいという事なのであって。そんな事して今回みたいにおそらくは少なからず損失を出した場合の帰結、責任の所在やら仮に破綻した場合等における社会への影響だとか、少し想像してみるだけでも戦慄を禁じ得ません。極めてCrazyな行為に思われます。

本件でやらかしたプログラムの作成者及び運用責任者は今頃吊し上げられてたりするんでしょうけれど、それも当然の結果だし、努めて反省の上、以降は想定外の取引を行ってしまうような無茶なプログラムの作成使用を厳に慎むよう望みたいところです。市場取引のようなクリティカルなシステムで想定外の動きをしてしまうとか、その時点でもう致命的な欠陥品だし、それでも自業自得で済めばまだしも、市場を介するために当事者以外への悪影響も甚だしいのですから。少なくとも後であれはミスだから無かったことにしてとか言って泣きつくなよ、と。

4/14/2013

[IT note] ロシアから悪意を込めて

ここのところ、ロシアからのreferer spamが急増してて。精神的なもの以上の被害はないんですけど、鬱陶しいことこの上ないです。主な踏み台はfilmhill.comというporn系らしいサイト。サーバはFloridaかな?どう見ても日本語のしかも随分と昔の記事に毎日コンスタントにアクセスがある時点でバレバレ。もっともreferer spamの目的はブロガーに興味を持たせてリンクを踏ませる事にあるのだから、目についた時点で先方の狙いは半ば達成されているとも言えるんでしょうけれど、今更興味が惹かれるわけもなく踏む可能性は皆無、結局のところ全く以て不毛です。勘弁してよもう。

4/12/2013

[biz] BitCoinのバブル劇に

エンターテイメントですよね。1月には$10程度だった実通貨レートがほぼ一方通行で指数的に上昇、$260まで行って崩壊し、一日にして半減以下の$100強まで下落、あまりの不安定さ加減に約半日の取引禁止措置が取られた挙句、再開直後$78まで転落してさらに落下中、殆ど元の木阿弥だそうで。

要するに超短期でのバブル生成とその崩壊なわけですが、ここまで絵に描いたようなマネーゲームってのも珍しいなあと思います。大体、この種の闇通貨はAuthorityによる規制が及ばない一方、同時に諸々の担保や保証もなくそのために極めて高い喪失等の危険性は以前から認識され、実際にウィルスやらクラッキングから単純なHDD故障等まで多岐に渡る直接的なリスクも顕在化もしていたのに、こぞってそこで大金突っ込んでマネーゲームに狂躁するというのはどう見たって常軌を逸した話なのですけれども、逆に一度突っ込んでしまえばその時点で色々と箍が外れるために純粋なゲームになりやすいのかもしれませんね。といってもそれだけで説明がつく規模ではないし、Cyprusの件で公的機関から逃げ出した資金の一部が流れ込んだとかそういう話なのかな、等と妄想してみたりもしますがどうにも理解しにくい部分は残ります。

かように理解した気にはなれない以上すっきりとはしませんが、しかし面白かったです。本件、金融関連のニュースサイトがCyprus以降これで持ち切りだったので半ば強制的にウォッチさせられていただけで特段の興味があったわけではなかったんですけれども、シミュレーションと見紛うような鮮やかで迅速な展開を見せ、予定調和的に綺麗なオチもついたという事で、今はとても満ち足りた気分に包まれております。ホント人間、というか市場関係者ってバカですねえ。

もっともまだゲームは単に一区切りがついただけな可能性は高いでしょうし、これからさらにボラを増して阿鼻叫喚な仕掛け合いが続くのかもしれませんが、外野としては期待した分の展開は十分見せて頂いたものと認識しており、これ以上は蛇足かと存じますので、出来ればこれからは関係者だけで人の目につかない市場の片隅でひっそりと遊んで頂ければいいなと思う次第なのです。

Bitcoin Instantly Plunges 35% As Exchange Reopens

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さらに半日で$60。水曜の高値から1/4未満。落ち始めると止まらないんですよねー。クラッキングも本格化してるとかいう話も流れてるし、国家権力の保護がない以上ユーザは逃げすなわち換金の一手な筈、このまま消滅してもおかしくない勢いで胸が踊ります。

4/05/2013

[biz] 長期金利が約0.3%まで急低下

長期金利が0.3%ですか・・・。もう金利自体無いのと大差ないし、変動の仕方もあまりに無茶苦茶です。流石に一時的なものに止まる可能性は高そうに思われはしますが、いいのかなこんなの。あまり急激に変化させると、確かにオーバーシュート気味に作用が大きくなるメリットはあるものの、同時に判断や手続きに不備が出る副作用も大きくなるし、徒に事業上での効果が薄い、すなわち不要な負債を増やせば、当然に不良債権化して結局は回収できなくなってしまうわけなんですけれども。単に資金があれば成長を期待出来た時代はもう遥か昔に過ぎ去ったのですよ?

そもそも金利が低いというのは投資効果が低いというのと殆ど同じなわけで、そのように誘導すれば実体経済にもフィードバックされて同程度に成長率が小さいところで均衡してしまう可能性が高い、その辺の事は関係者が理解していない筈もないし、その副作用も想定した上で許容し、デフレ克服をレトリック的な隠れ蓑として、公的負債の実質減免を主たる目的にやってるって事なんでしょうけれど、個人的には負の側面があまりに大きすぎるように思えてなりません。そんな博打打つなよとも。

あと、当然今回一回限りの措置ではすぐに吸収されてしまって無意味になりますから、今回打ち出した方針を貫徹しようとするなら同レベルの措置を継続的に行う必要もあるんですけれども、それはすなわちこれから発生する国債やら株式やらを日銀が際限なく引き受けるって事で。今までとは次元が違う、との日銀総裁の言に沿う話には違いないけれども、それは中立性の喪失をも意味するわけで、当然ながら極めて危険な転換と言うべきものでしょう。

いずれにせよ、もうここまでやっちゃった以上はとりあえず現政権、現総裁の内は引き返せないんでしょうけれど。バブルが膨らんでる内は目も眩んじゃうでしょうし。しかし先の事を思うと憂鬱です。 勘弁してくださいほんと。

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んで一週間もしないうちに0.6%に倍増とか、クレイジーにも程があるでしょうよ。本来なら安定性を担保すべき当局が率先して不安定化を奨励するこの状況からすれば当然と言えば当然なんでしょうけれども。

[IT] Yahoo! Japanで大規模漏洩

あー。アカウント、メールアドレス、パスワードが現状確認されているだけで100万アカウント規模で流出と。またやらかしてくれましたね。今のところ公式には直前で食い止めたとして流出を認めてはいないようですが、gooの方でも似たような漏洩が時を同じくして発生している事と照らし合わせれば、まあ多分に同一犯かそれに準ずるような話なんでしょうし、ほぼ確実にアウトと考えるのが自然でしょう。

うーん。私個人のYahooに登録していたアドレス宛にも数週間前からyahooのアドレスを詐称するスパムが頻繁に届くようになってて訝しんでたんですが、おそらくはこれのせいというわけですか・・・。まあ、原因が分かって少しすっきりしました。許し難い話には違いないんですけど。

もっとも私個人は会員登録してはいたけれども殆ど使っていないし、数少ない使用機会も無料サービス限定、Yahooメールもスパムの多さに辟易して端から利用していないしで、被害としてはスパムが増えた他にはパスワード変更の手間だけ、さしたる損害でもなく、怒り心頭とまではいかないんですが、そうでない人も沢山いるんでしょうねえ。これはさすがに自業自得というわけでもなく、誠に遺憾な話でありましょう。

一応、ウォレット周りが漏れていなければ直接的な金銭面ではさしたる損害にはならないでしょうし、Yahoo側は従前の例に倣って数百円分のポイント付与で収めようとするだろうケースなんでしょうけれども、さて。

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何かNTTの方でも同様の漏洩があったそうで。三件も重なったとなればいよいよネット全体で同様のクラッキングがあったものと考えるべきものでしょうから、他のサイトも含めてパスワード変更や不要なアカウントの削除等の見直しをしておく必要があるかもしれませんね。やれやれです。

4/03/2013

[IT] 住基システムのデータ障害に愕然

4月に入り各所のITサービス周りでシステム改修・更新・新規導入等の変更に伴う障害が頻発しているようで。ゆうパックのはお決まりのテスト不備、前科もあるし今更驚きもしませんが、住基の件だけは流石に目を疑いました。何なんでしょうあれは。

公式発表によれば、原因はDB入力時の文字コード取り違えとの事ですけれども、マスタデータの作成環境と言えば、開発の初期からあらゆる段階で常時使用され、従ってシステムの中でもその挙動は最も確認保証されている筈の部分だし、仮にデータ作成委託先での環境設定不備によるものだとしても、納品の前後で当然確認もなされている筈、何がどうなればそんな事が起こりうるのか、容易には理解し難いところです。

少なくとも通常の体制ではないだろう事は間違いないんでしょうけれども、文字化けのようなテスト環境で一目見れば発覚する程度の不備にも気づかないようなチェック、運用の体制では、その内容に関する誤りなど判別出来ている筈もなく、当然に間違いだらけの登録データで運用されているだろうものと判断せざるを得ないわけで、それは本システムの重要性を鑑みれば到底許容し難いものです。周知の通り住基を巡っては個人情報漏洩とそれに伴う悪用が主に懸念されて来ましたが、本件が示すその実態はそういうセキュリティ云々以前の状態であって、改めて公的機関の救い難い無能加減とその無能な組織に社会基盤システム、特に情報周りの管理運用を一任する事の危険性を強く認識せざるを得ないのであります。全く以て今更ですけど、どうしようもないですよねやっぱり。