12/21/2013

[biz] 車関連技術に相次ぐ基本的欠陥の発覚

このところ、どうも車関連、特に新技術に関連して色々とよくないニュースが続いているようで残念です。

EVのバッテリー炎上に始まり、マツダCX-5のプリクラッシュデモでの事故発生、直噴エンジンの微粒子(PM2.5)過発生の発覚、そしてフィットHVのECUプログラム欠陥の顕在化。

新技術には欠陥はつきものとは言え、どれも人命に直接関わる深刻な欠陥なわけで、各社とも性能やら消費者への目先の訴求ばかりを追いすぎて、大前提である筈の安全性を軽視してしまっているものと疑わざるを得ません。

特に、直噴エンジンの微粒子発生については、本来環境への負荷を減らすべく導入された筈の技術で有害物質を増大させているわけで、本末転倒と言わざるを得ず、とりわけ酷いもののように思われるところです。社会的に強く問題視され始めたのが比較的最近で、そのためにその他排出ガスに比べて規制が緩い事が背景にあるんでしょうけれども、無規制ではなかった以上は認識出来なかった筈もなく、あえて目を瞑ってきたメーカーの姿勢については誠実さを欠いたものと言わざるを得ません。

報道記事では具体的なメーカー・車種は記載されていませんでしたが、1.2Lの直噴エンジンという事ですから、おそらくは日産のノートでしょうか。そうであれば、ノートは非現実的とも言うべきEVの普及に固執してきた日産の中では比較的現実を見据えた構成に見えて好ましく思っていたのですけれども、結局は環境への配慮など単なる建前、というに止まらず、実は真逆だった事が明らかになってしまったわけで、とりわけ残念に感じられます。もっとも、直噴エンジン自体はマツダやホンダ等他社でも主力に据えられている構造なのだし、日産に限った話、というわけではないんでしょうけれども。

あとフィットHVの件については、いつかは起こるだろうと言われていたソフト制御の欠陥がほぼ初めて致命的なレベルかつ明確な形で発生したもので、その時点で戦慄を禁じ得ないわけですけれども、よりによってホンダが社運をかけたと言っても過言ではない本命車種で発生してしまったということで、販売期間に比して見たユーザの多さ、それに伴う影響の広さ、大きさがまたそれに輪をかけます。

本来、万が一にもトラブルを起こしてはいけない筈の新製品では当然に何重にも防止が図られていてしかるべきもののところ、さらにそれが既に一度発生してリコールを行ったにも関わらず、さらに深刻さを増して即再発した点からすれば、この種のソフト面の不備一般の常識的に見て、今回の改修で全て改善されるものとはとても考えられず、高確率で再発が懸念されるところです。常識的には一旦販売停止とし、販売済みのものも回収した上で対応すべき性質のもののようにも思われるところですが、今の所ホンダにその考えはないようで、先行きに不安がかきたてられますね。まあその費用を思えば当然というところなんでしょうけれども、しかし米国版の販売も迫る中、多分に欠陥を抱えたまま販売を続けるリスクは尋常ではなく、死人でも出れば全てが台無しになる筈なわけですが大丈夫なんでしょうか。その辺は全てホンダの自由なのですけれども。

あっちもこっちも憂鬱な話が続きます。ただ、前期から今期にかけては少なくとも各社とも販売好調で、仮に相当の揺り戻しが来てもカバー出来るだろう点が救いではあるでしょうか。単に経営的には問題ないというだけで、社会的な損害が確実に増えるだろう、その意味で遺憾な話には変わりないのです。残念です。