11/28/2013

[biz law] 日立子会社で架空発注詐欺10年6500万

逮捕容疑分で650万、嫌疑は6500万ですか。架空発注による詐取は官民問わず珍しくもない昨今ですが、とりわけ派手なやりようで。

容疑者は阿久津伸二、詐取対象は元勤務先の日立システムズ(当時は日立電子サービス)。肩書きはチーフエンジニアという事だからおよそ課長クラスで、すなわちその与えられた独立裁量権を悪用し、かつ本来チェックすべき上司連が漫然と見逃したという形でしょうか。であればその辺は従前他の事例とほぼ同じですね。

しかし期間と額は飛び抜けています。10年で6500万だから、年にして650万という事で、相場的には年収の7割程度にはなろうかという大胆なやりようにはいささかの戦慄も禁じ得ません。特に日立全体が沈没しかねない窮状にあってよくそんな額の詐取をやりおおせたものだと。というか、削減された給与なりを補おうとしたとか、窮状だからこその結果なのかもしれませんけれども。しかし10年は長すぎです。こういう話を聞くと、やはり日立は殿様気質というか、今日の過酷な経済的競争環境を生き抜くにあたって当然保つべき緊張感を欠いた企業なのだなと、改めて呆れつつ将来を悲観せざるを得ないのです。今更ですけどね。

日立子会社元社員を逮捕=詐欺容疑、架空発注6500万円か-警視庁

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