11/01/2013

[biz law] 近鉄ホテル、虚偽表示発覚にも賠償拒否

やっぱりと言うべきかイメージ通りと言うべきか。阪急の裏切り具合も酷いですけど、近鉄は素でさらに酷かったって話です。

阪急阪神の件からこっち、同様の虚偽表示の発覚が相次ぐ昨今ですけれども。今回虚偽表示が公表された近鉄系ホテル数件のうち、ホテル内レストランで加工肉をビーフステーキ等とする虚偽表示が発覚した近鉄ホテルシステムズが開いた謝罪会見、の筈だった場で、社長の二村氏曰く「バイキングの一メニューの偽装だから」、として一切の返金を否定したそうで。

一体何を言ってるんでしょうか。バイキングの一メニューだとしても虚偽は虚偽、その分は当然に不法行為なわけです。その他メニューの分は含まれず、従って全額の返金には及ばないでしょうけれども、全額の返金を拒む理由にはなりえません。むしろビーフステーキと言えばバイキングの中でもメイン的な位置づけにあったものと推測されますから、一般に数割程度の返金に応じる義務はあるものと考えられるところです。

そして、虚偽表示に基づいて利益を得た事が不法行為であり、従って不法利得たる対価を賠償する義務が生じているのであって。サービスが価格相当であったかどうかは問題ではないし、そもそも価格の相当性自体が一概に判じられるものではなく、まして法廷でもない場所で不法行為の当事者が一方的に主張する評価額など全くの無意味、犯罪者の開き直りと広範から捉えられるだけの話です。個別の顧客への対応としても、一般的なコンプライアンス等社会対応の意味でも、事業者として最悪の対応と言う他なく、このような会見を平然と行ってしまう二村氏はじめ近鉄関係者の愚かさ加減は救い難いものと言わざるを得ません。社会的に到底受け入れられず、結果として今後の事業継続にも致命的な困難が生じる可能性も相当に高いでしょう。

といっても、このような振る舞いをする人達には今更言葉で何を言っても無駄とも思われますし、その是正には、その身を以って報いを受ける他ないのかもしれません。消費者庁はじめ行政、司法の関係者におかれましては、厳正に摘発指導される事を望みます。かように論外な主張が許容されて前例となれば、今後も多数続くだろう類似事例を放置助長する事になるでしょうから、その抑止のためにも。

修学旅行生にブラジル産を大和肉鶏として提供 加工肉を出したホテル社長は「返金しない」

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