3/28/2013

[biz] ルネサスと富士通でまた大規模リストラ

示し合わせたかのように。ルネサスでは新たに3000人、富士通では旧電子デバイスの富士通セミを中心に国内2300人。富士通の方は既に公表されていた計画の一部という事で特段の驚きがあるわけではありませんが、結果的に先般のロジック統合破談、その後始末という恰好になって、より残念な意味合いを帯びてしまいました。あと、欧州の富士通テクノロジーソリューションズで1500人。こちらは旧独Siemensの人達が切られたということで、被買収事業の悲哀を感じさせます。

ルネサスはスマホやタブレットでのシェア獲得に失敗したし、さらに弱小たる富士通セミは得意先の分野が悉く斜陽で言わずもがな。FTSも新旧の製品分野を問わず規模面の不利を覆す事も出来ず。と、要するに昨今のパーソナルデバイスを巡るパワーバランスの急激な変化の中でポジションの確保に失敗した面々、その残酷な末路とも解釈出来そうです。

しかしね。それでも人切りはやはり愚策です。少なくとも、事業を継続するつもりがあるのなら。リストラの目的は無論人件費削減による事業の採算改善ですが、それと引き換えに先端技術メーカーにとって生命線であるところの開発力等を失ってさらに状況が悪化するだけ、そういう指摘は既に山ほどなされ、実例も枚挙に暇がありません。もはや常識と言えるほどです。なのにどうしてこう短絡的に人減らしに走るんでしょうか。不可解というか、残念でなりません。もっともR&D面は完全にネタ切れ、賭ける資金も全く足りず、しかし社内組織と社員はあらゆる面で官僚化や硬直化が進んで機能不全を来し、適宜適時のアクションを起こす事すら期待し難い現状を鑑みれば、政治的な思惑は別にして事業自体の力で見れば現状を覆す可能性はもはや皆無と言わざるを得ない状況ですから、既に匙を投げて延命に専念する他ないと諦めた結果の施策なのかもしれませんが。であれば、本当に救いのない話です。

残念です。この種のニュースに接する度にいつも感じる事ですが、やはり今回も。