11/22/2012

[pol] 維新の本末転倒な空洞化ぶりに絶望

もう目も当てられません。制度疲労の極みに至った自民党政権、その刷新を期待されながら前代未聞空前絶後の規模で完全に裏切り憎悪の的となった挙句自壊した民主党政権。二代続けて裏切られ、それでも再起を求める人々の期待を集めつつあった新勢力、その中核を担う維新の会ですが、選挙直前の今になって、目的も自身も完全に見失い完全にハリボテと化してしまった、ように見える惨状で、極めて残念です。

離合集散は政界の常だし、合併して代表が交代したから即失望ってわけでは必ずしもないんでしょうが、そうするなら少なくとも半年位、せめて三カ月程度は前にやっておくべきでした。その前後で主義主張、各種政策等中身の融和を図っていたならばまだしも、これまで好き勝手相反する内容の主張を繰り返しておきながら、そこでなされた各論的というか具体的な主張は全てささいな事だから切り捨てる、というのでは、これまでの活動が全て無に期すわけで、まさに個別の主張に共感し支持してきた人々を真逆に裏切るものであって、少なからぬ、おそらくは大半の支持者に深刻な不信と失望を感じさせたであろう事は想像に難くありません。

今回の選挙での主要な争点、すなわちエネルギー、国家安全保障、福祉、国営事業、財政等、それぞれ国民を二分三分する先鋭な対立のある問題に対し、その多くで反対の立場から悉く急峻的な主張を繰り返し、各々の主導的な立場でさえあった彼らが、この時期になって突如手を取り合い、新しい未来を、等と笑顔を見せたところで、全く具体性がなく、現実味もなく、ただ空しいものにしかなりえない、それはむしろ当然の帰結というべきでしょう。その上さらに元民主党、元自民党の残党、本来なら旧政権の一員として審判を受けるべき面々が臆面もなく合流し続ける姿、本来の目的たる国家運営に必要な組織構築を全て放棄し、権力の奪取だけを目的として、ハリボテの上にハリボテを重ねるような人集めに奔走する本末転倒な有様を見るにつけ、もはや政党としての体すら成していないものと思わざるを得ません。それでも、ある程度は個人の人気で支持もされるんでしょうけれど、それはおそらく前回の民主党にすら劣る、控えめに言っても無意味なものでしょうに。

本来、国民の希望するところは、広く国民に進むべき道を提示してその選択を促し、示される意志を反映し、代行する事で継続的に支持を受けて国家を機能させうる政府の実現であり、その責を担うに足る可能性を十分に持った代表者を見出す事だっただろうと思うのです。しかし、その候補となる筈だった維新が、その審判に望む以前に曝け出した惨状を見るにつけ、そのような希望を持つ事自体が非現実的だったのかと、深い絶望を抱かざるを得ないのです。

とはいえ、どんなに先行きが絶望的でも、国家運営は続けなければならないし、代表は選ばねばならず、そして民主主義国家の各市民としてはその選抜を行う義務があります。どの候補、どの陣営を支持するのか、あるいは支持しないのか、嫌でも決めなければなりません。例え全員に失望していようとも。まあ、身も蓋もなく言ってしまえば、結果としては消去法的に自民党政権、すなわち各方面でジリ貧な状況に戻る事になるんでしょうけれど。発展は到底期待出来ませんが、前政権の崖から落ちるような状況に比べれば、、、絶望よりは憂鬱な方がまし、ですか。