12/03/2011

[biz law] Carrier IQによるスマホ個人情報盗聴

既にAppleもその導入を認め、HTC、Samsungは集団訴訟を提起されている本件、思ったより大変な広がりを見せそうで目が離せません。訴訟における賠償請求額は一件一日の盗聴につき$100、該当する端末は1億4千万台という情報もあって、これが本当なら部分的にでも原告勝訴になった日にはスマホメーカー、というかキャリアも含めて業界が全壊滅しかねない勢いと規模になりつつあるわけで。

具体的にどういう情報が収集可能なのか、それもまだ全容は明らかになっておらず、容疑の調査自体もこれから、という段階ですが、少なくともユーザが導入したアプリ、また通信先について収集する機能は備わっていたらしい、という事で、これでもう十分アウトのように見えます。

今の所Appleはじめ嫌疑をかけられている当事者は皆おしなべて「確かにCarrierIQは入れてあるけれども個人情報を収集する機能は有効にしていない」という趣旨の説明をしているようですが、仮にそうだとするとそもそもCarrier IQを入れた理由が説明出来ないわけで。すなわち、Carrier IQを入れた時点で少なくとも盗聴を行う意図があった事は間違いないし、導入自体に違法性が強い事、また露見した時にかかる嫌疑についても認識がなかった筈はなく、そこまでやっておきながら肝心の情報収集はしていない、というのはいかにも不自然で、当然ながら到底信じられるものではないんですよね。部分的にせよ使用していた事はまず間違いないものと推測されるところです。これをひっくり返すのは、一般論で言えば非常に困難でしょう。

Apple対Samsung、あるいはHTC、といったメーカー間での対立抗争が賑やかだったスマホ業界ですけれども、それどころではなくなってしまったかもしれませんね。しかし事実であれば信じがたい程の浅はかな話で、馬鹿馬鹿しい限りです。そして、この隙に日本メーカーがシェア簒奪、とはまったく思えない、どころか、実は同じ穴の狢でしたってオチを想像してしまったりするわけで、こちらは虚しい限り。いずれにしろ自業自得、コンプライアンスを無視するような輩はそれなりの報いを受けるが良いと思うし、一市民としてはせめてこれに懲りて多少なりと改善に繋がる事を願う位しかしようがないんですけれども。

Carrier IQ, HTC, And Samsung Have Been Sued Over The Smartphone Privacy Scandal
CONFIRMED: The Hidden Smartphone Software Everyone's Freaking Out About Can Track Web Pages You Visit And Apps You Download