10/21/2011

[biz] タイ洪水による生産停止、その行方

被害の範囲が国土の1/3に及び、HDDやカメラ等の生産拠点が停止に追い込まれ、復旧の目処も立たない惨状に至っている本件ですが、起ってしまった事は仕方が無いとして、これから各社はどうするのか、どうなるのか、文字通り世界中の注目が集まっているところ、そこは私も当然気になるわけでありまして。いや本当にどうするんでしょう。

グローバルに生産拠点が独立分散しているような大企業であれば、他の拠点への移管でしのぐ事が可能で、損失は少なくないものの致命傷にまでは至らないだろうと思われますが、ニコンやWDのように主力製品の生産の大半を集中させている場合にはそれは出来ないし、さりとて新規に他の地に生産移管と言っても、それにどれだけ時間と資金が要るんだって話で。

結局の所、水が引くのをただ待ち、その後に速やかに復旧出来るよう準備を整えておく以上の事は実質出来ない、というのが現状なのではないでしょうか。だとすると、後1~2ヶ月位はまともに生産出来ないものと予想されますし、損害の下限もその程度と見積もられるわけですが、当然ながらその額は莫大で、そのまま逝ってしまう所もそれなりに出るだろうのも必至です。タイ周辺は水資源の豊富さから水を大量に使う工場が集積されていたわけですけれども、今回はそれが完全に仇となってしまったわけで、まったくもって諸行無常であります。

しかも、1~2ヶ月で済めばまだいいんですけど、一度決壊した堤防類を修復するのには通常でも相当な時間がかかるところ、今回のは規模が規模ですからねぇ。うーん。既に下記の様な動きも報じられてはいますけど、どうしようもないでしょう。生産設備類の作成にも相当な時間がかかるのもあるし。生産設備側のメーカーには特需なんでしょうけどね。

ニコン、タイ洪水でグループの生産体制見直しへ

その後伝え聞くところによると、水が引くまでだけでも1~2ヶ月だとか。生産再開には設備の入れ替え等でさらに数ヶ月以上の時間が必要でしょうから、下手しなくても半年近く止まりそうな感じですね。来年以降の再発の可能性も考慮すると、縮小移転を選択する所も相当に出てきそうです。でも何処に?インドはまだ色々環境が整ってないし、中国は資本規制とか厳しい上に人件費も高騰中で、タイの代わりにはしづらい筈なんですけども。