9/04/2011

[dis] 台風による西日本の農産被害と汚染品流通への懸念

ここ数日の降雨量が累計1000mmを超えて当然に河川の氾濫が相次ぎ、大水害となってしまった台風12号ですが、ここまでのレベルになると、稲作始め各種農産への被害も甚大なものになる事は必至、秋の収穫時期を目前にして残念な限りです。その程度はこれから明らかになるんでしょうけれども、只でさえ今年は東日本の大震災とそれに伴う放射能汚染、次いで北陸の水害と農産物に関しては半壊状態だった所に、それを補う筈だった西日本でも収量激減が避けられないとなると、少なくとも農産物の供給不足に拍車をかける事は間違いないように思われます。

もちろん一義的には多かれ少なかれ短期的な当該農産物の価格高騰が予期されるわけですが、それと併せて、放射能汚染された農産物の流通、その相対的な増加が懸念され、長期的にはこちらの方が深刻なもののように思われます。正規品が十分に無いとなれば、需給にギャップが出来る結果、産地を偽るにせよ、単に国産とのみ表示するにせよ、本来なら売りにくい、もしくは売れない非正規品でも売れやすくなってしまうのだから、当然のように生産、流通、小売の各々の業者ともにそのギャップを埋めるべく動いてしまうであろう事は容易に想像されるのですよね。よりによって検査体制も整わないために消費者側で区別が出来ず、しかも汚染の程度は最も深刻であろう今年の農産物、それが流通する事による長期的な被害は想像するだけで戦慄が走ります。

ある程度持続的に危機感を維持出来る人なら、輸入品を中心に選択する事で概ね回避出来るであろうけれども、喉元過ぎれば熱さ忘れるというか、そういう、記憶の続かない、有り体に言えば馬鹿な人が大半なのですから。冗談では済まない事態なのですけれども、仮に国が遅まきながらに抜本的な対応を始めるとしても肝心の方法が実際問題としてない以上、最終的には自己責任になる筈の話、どうしようもないんでしょうかね。人の事など知ったことか、で済ませるのは、あまり気分のいいものではないのですけれども。