8/26/2011

[tech] 福島第一原発のロボットオペレータのブログ

もう元のブログは閉鎖されてしまったらしいんですけど、その内容がロボットの実用面でのテストケースとしてあまりに有益、貴重という事で、IEEEがログを英訳して掲載したとか。

ざっと一読してみると、確かにロボットの運用面で発生する様々な課題、その典型的なものがよく表れていて、今後の開発、運用に際しては非常に多くの有益な示唆を与える内容になっています。ロボットには一般に汎用性がないために、その場面毎に起こるトラブル、問題点は異なるし、それに合わせて使用法、運用法を適応させていかなければならないものなので、一般論というのがあまり成立せず、このようなケーススタディを通じた経験知の積み重ねが本質的かつ決定的に重要なのですよね。私は寡聞にして元のブログを知らなかったので、IEEEの今回の掲載には非常に有難く思う次第なのです。

特に、今回の福島原発のように、実際問題ロボットが必要とされる場合というのは本質的に生命の危険がある場面で、その安全側と危険側は明確に区別出来るわけではないから、オペレータは時にその境界を意図せずとも越えてしまう、またリスクを承知で踏み込まなければならない場合も多分に発生するわけで。文字通り命がけのシビアな作業、その記録の持つ意味は大きく、今後この知識経験が生かされる事で、どれだけ人命が救われるか、計り知れない価値がある事も明白です。

中には東電管理側への批判に直結するであろう部分もあって、そのあたりで東電からクレームがついたりする可能性も多分にあるわけですけれども、IEEEが説明する通り、今回の掲載は公益を重視してのものなので、そのような事にならないよう願いたいところですね。

Fukushima Robot Operator Writes Tell-All Blog