8/24/2011

[biz] 日本国債Aa2->Aa3に格下げ

今度はMoodysが日本国債を格下げ。政府・政権の不安定さ加減をマイナス評価して、との事なので、本件自体は至極もっともな話だろうし特段の異議もなさそうなのですけれども、先日のS&Pによる米国債格付け引き下げにMoodysもFitchratingsも追随しない状態が続いたまま、というのが少々気にかかる次第です。

元々、各社間で格付けを一致させなければならないわけではないのだけれども、長らく事実上の公的なコンセンサスとして位置づけられてきた三社の格付け、それが主要国の国債という主たる債権で齟齬を来たすという事は、必然的にその従前の支配的とも言える安定した地位を失う事を意味するわけで。そもそも少数の民間企業がそのような地位を占めていた事に対する議論はあろうけれども、三社の調和から得られる信頼性、それを基盤として各種の債権に対する評価にある程度の整合性が形成され、それなりの秩序が得られていたのは事実、それを失う事によって市場の不安定性はそれなりに増大するであろう筈なんですよね。

実際に資金調達上で障害が増える可能性が懸念される以上、それを好ましくないと受け止める向きは多かろうし、逆にそれが市場の本来あるべき姿だ、と見る向きも当然それなりに強かろうかと思います。ただ、安全資産という概念自体、その従来の用法で多く備えていたところの完全性、それが建前としてももはや理論上にしか存在せず、なべて相当の現実性があるリスクを孕み、ただそのリスクの性質、構造が異なるに過ぎないものと見るべきであろう事は、多分に今更ながらではあるけれども、明らかに思えます。

それは理論的にはむしろ自然に思える一方、解析的な取り扱いはほぼ不可能、従って制御はおろか直接的な分析すらもままならない領域なわけで。この手の領域に対しては、最初からその取り扱いを諦めて極力回避するのが正しい態度だろうと思うのですが、経験的にはその逆、往々にして正否不明をよい事にした詐欺的な話が乱発しがちになるもの、それを思うと、どちらかというと憂鬱な気分になる次第なのです。これまた今更な話ですけどね。

ムーディーズ、日本国債を格下げ 1段階低い「Aa3」
見通しは「安定的」


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