7/25/2011

[pol] 米債務を巡る与野党・政府間対立

一言で言えば、いかにも茶番っぽい感じな本件。大統領も民主党も共和党も、建前では色々対立っぽい事を言って、確かにその先の破綻可能性の高低という所では多少の違いはあるのだけれど、それは随分と先の話、それぞれがどう均衡するのか、またどちらが良いのか、それは結局のところ誰にもわからないのであって、今本質的に問題なのは、当面の米経済の方向性という点、すなわちドル・米国債のポジションをどの辺に誘導するかなわけでね。

その点で見ると、債務増加と歳出削減、またその組み合わせの中でどういう配分・規模にするかが俎上に乗ってるわけですけれども、いずれにせよその帰結の中で米経済の縮小は避けられないのですよね。だから、今の議論には、現実的な部分での意味がほぼないも同然であって、その意味で茶番に見えるわけです。実際、破綻云々は少なくとも数年以上は先の話、その時にどうなっているのか、何が最適解なのか、神ならぬ身ではよくわかっていない、それは間違いありません。

一市民としては、先の話は程々にして、今現在で基本的に均衡させて、少しずつ発展させる位が良いだろうと思うのですけれど。年を跨ぐ借金は緊急の場合と極低リスクの場合に限定してね。でも政治家は無理でも先の話をしなくちゃならない。でなきゃ支持されない、だから大部分しがらみやら思い込みやらから半ば強制される形で、遠い先の抽象的な危機のイメージをでっちあげ、あたかもそれが唯一の未来であるかのように主張し、その主張に対応する対策を必須のものとして主張しているだけなのでしょう。政治とはそういうものだ、と言えばそれはその通りなんでしょうけれど、それは現実とは言えない、有り体に言えば詐欺同然というのも事実であって、結局のところ、それはやはり建前に過ぎないだろうわけです。

その辺は当然当人らの大半も理解はしているだろうし、建前の裏には、やはり実質的な所での意図が別にあるのが常です。今回の件に関してのそれは、雰囲気作りというか、方向作りというか、グタグダと引き摺って、デフォルトの可能性を長期間に渡って薄くチラつかせる事で、その間にジリジリとドル&米国債のレートを低下方向に誘導するソフトランディングを狙っている、というところなんでしょうけれど。その影響をもろに被る日本とか中国とかの債権国の面々におかれましてはご愁傷さまです。知ってか知らずか、建前に一々右往左往する人達については、元々金目当ての自業自得な話だろうし、それで儲かる場合もあるだろうし、どうでもいいんですけどね。