7/11/2011

[biz law] いすゞのNOx規制逃れの件

泥沼化してるみたいですね。エンジン制御を工夫することで脱硝装置なしでもNOx排出規制をクリアした、として低価格・高性能を謳っていた車種について、確かに法定の試験ではパスしたけれど、都が独自試験で実際に走らせてみると3倍程度も超過する場合が普通にある事がバレたっていうあの件。6月にリコールしてた筈だったんですけど、当然ながら具体的な解決策はまだ見つかってないらしく、都の怒りがむしろ増幅されて、国に立法規制を求める事態に発展してるとか。

本件について、いすゞは意図的ではないと一応釈明してますけど、嘘である事は明白です。本件のNOx数値のような、まさに開発のターゲットであるところの数値について、開発過程でその特性を把握していなかった筈はありません。それもほぼ通常モードですよ?ありえない。おそらくはむしろ逆、ごく一部の理想条件下以外では全く意図通りの性能にはならない、そういう技術である事を承知の上で、試験に通るようにチューニングした、というところかと。もっとも、そういう、試験向けにするその場しのぎの詐欺的な化粧というのは、往々にして建前と現実のギャップが激しい「画期的な新技術」を謳う技術の商品化にあたってはよくある事です。ただ、今回の3倍とかは誰が見てもやり過ぎ、詐欺認定されてしまうレベルなわけで、法規の強行性に照らしても、いすゞがあまりに無謀だったというだけの話なのでしょう。

リコールにあたっては、パラメタ調整とかエンジン設計の見直しとかで対策する、とかいう話ですが、そもそも基本技術が現時点で存在しない以上、まずもって実現出来る見込みも無く、仮に出来てもどれだけ時間がかかるのかも分からない、最低でも数年はかかる、そういう状況である事は間違いないし、まず無理でしょう。結局の所、大人しく脱硝装置を付けるとか、既存の実績ある技術を適用するしかないものです。馬鹿らしい。開発者も経営者もみんな揃ってその馬鹿さ加減の報いを受けるが良いのですよ。

東京都、NOxでいすゞに激怒