1/27/2011

[biz] NECのPC事業譲渡成立

まずはレノボ51%,NEC49%という事で、クリティカルな部分の拒否権だけは確保してきましたね。NEC側の幹部連は即クビとまではならず、さしあたり暫しの延命を確保出来て少しだけ安心、といった格好でしょうか。何せLenovoの本社では職務怠慢で幹部がバンバン解雇されて、クビになった幹部社員のリストが張り出されるって言う苛烈さ、NECのヌルい体質とは全く異なるわけですから。

とはいえレノボが過半数を握り、従って殆どの意思決定権はレノボに渡るのだから、もうNECではなくなったのも事実であって、経営陣の裁量になるところのヒラ幹部はもうクビが取れたも同然ではあるのですよね。その気になれば、国内向けの営業部隊以外は全て中国に集約、といった過激な整理の仕方も、不可能ではないどころか本件の趣旨からすれば最有力と言ってもおかしくなく、少なくとも生産は中国に全移管になる事は間違いないだけに、どれ位ドラスティックな編成を図ってくるか、見ものであります。成功すれば強力ではあるでしょうし。ともあれ諸行無常であります。社員の皆様に於かれましては、中国語の学習はお早めに。

本件自体はとりあえず一段落ですが、PC事業の周辺には、PCをメインの出口にしている要素技術やら製品が色々ある筈で、研究部門も含めて、グループ内に点在しているであろうその辺りの処遇はどうするのか、おそらく部門を切り分けて移管という運びになるのでしょうけれど、どういう切り方にするのか、そしてその際に社員はどのように動くのか、そちらの意味のテストケースとしても興味深い面もあるでしょう。あと本社の登記はオランダにするって話だけど、これは何でなんだろう、とか。NECのPCは海外には無いから、事業的にはLenovo側の都合で、一応の意味合いとしては、一気に中国側に取り込むと拒否反応が懸念されるから、まずはNEC本体から引き離して中立的な体質にするため、とかいう事なんでしょうけれど。あと税金面でも有利なんでしょうかね。知らないけれど。しかし異例ずくめですね色々。いや面白い。海外では全くと言って良い程ニュースになってないあたりは泣けますが。

NEC、中国レノボとの合弁を発表 19時から会見
[過去記事 [biz] NECがPC事業をlenovoに譲渡 ]

---追記
オランダの法人税は20%から25.5%とか。安いと言えば安いけど、わざわざ遠く移す程かというと微妙な気もする率ですね。他にも優遇とかあるのかな。

------追記2
あらら、5年後の全株取得権条項付きだって。最初から完全に譲渡しちゃうつもりって事でしたか。いやまあそうですよね普通。全体的にはすっきりするから良い事なんだろうけど、社員の方々は早急に身の振り方考えなくちゃで、ご愁傷様です。ただ、建前な事は割と明白であったにせよ、事業の強化とかシナジー云々とか、中核的な経営方針に関わる発表をしておいて、それが一日ともたずに嘘でした、というのはさすがにいかがなものかと。全部切る予定です、と言いたくない気持ちはわからないでもないけれど、不義理が過ぎるでしょう。

レノボに合弁会社の全株取得権 NECの同意が前提