5/19/2010

[biz note] ネット上の情報の対価の安さ

安い安いとは聞いていましたが、それなりのちゃんとした所の
まともな記事でも、一件数千円とか。

いや無理でしょうそれは。

と誰しも思います。事実なのですから。

そして、業界の人は、商売を成立させられるしくみを作るべき
だ、と主張します。

これまた無理でしょう。

というのは、基本自由な市場だというのがまず一つ。競争原理
の価格決定力は絶対的です。もう一つは、そもそもどんなネタ
も直ぐに色んな形でが拡散されるか捨てられる時代にあって、
オリジナルの情報にさほどの意味もない、という点。特定の記
者の記事なんて、無ければ無いで問題ない、と言うこと。この
2点が合わさると、どうなるか。売る側に値段を決める権限が
全くなく、売り上げから逆に決まるものとなり、それがコスト
に見合わないものになっても、それは結果として当然、という
事になります。

これ自体は、世の理、というやつで、規制でガチガチにしない
限り、どうにもなりません。しかし規制導入もありえない以上、
これは現実として受け容れるべき事である、ということになり
ます。

問題は、それでも記事を作る事を商売にしようとする人が後を
絶たない、という所で。夢を追ったはいいが、現実は非常でし
た、商売にならない、と。絶望感が漂いますね。その人の勝手
ではあるのですが、それなりに努力やら競争を勝ち抜いた結果
であるにも関わらず、そう言う状況な所が哀愁を誘います。

そういう、半ばボランティアというか奴隷というか、な職人と
いうのは昔から居ました。例えばアニメータとかがそういうポ
ジションでした。彼らの境遇を聞いて、皆、それで生きていけ
るのか、と驚いたものです。

それだけに、今に始まった話でもない以上、同様に、ずっと好
転しないまま、と思う方が自然でしょう。むしろ市場の小さい、
もしくは縮退している、ある種の芸能的な産業の宿命と考える
のが妥当な気がします。

一部のスター的な人は、そのポジションを生かして、上手く商
売をされているみたいですが、ほんの一部ですね。

しかし、記者になろうと言うぐらいだから、分析能力もある程
度ある筈なのに、商売にならない事位わかりそうなものなのに、
謎です。その分、これから更に競争が進むにつれて、どういう
展開になるのか、興味をそそるわけですが。