4/23/2017

[note] samba4.5.0以降でwinxpから接続出来ない問題の対処について

先日リリースされたubuntuの最新版17.04へのアップグレードをしたところ、sambaにwinxpのPCから接続出来ない(パスワード認証に失敗する)事象が起こるようになってしまいまして。

具体的には、ネットワークドライブへの接続等によってエクスプローラからsamba経由でサーバのフォルダを開く際、ユーザ名とパスワードを入力しても弾かれるようになってしまったのです。windows7以降のPCで確認してみたところそちらでは問題なく、従ってwinxp以前のPC特有の障害という事になるのですね。いくらXPのサポートは既に終わっていると言っても、実際問題使えないのは困ります、のでその対処法を調査しました。

結論から言えば、本件事象の原因はsambaの認証方法周りの仕様変更(セキュリティ強化)によるものです。ubuntu17.04におけるsambaのバージョンは4.5.4になるのですが、4.5.0以降はXPでデフォルトの認証方式になっているNTLMv1がデフォルトで無効となるよう変更がなされていて、このためXPでは認証出来なくなってしまった、というわけです。

対処方法は2通りあります。一つは、sambaの設定を変更してNTLMv1の認証を有効にする方法で、もう一つはXP側の認証方法の設定を変更して、NTLMv1は使わずその後継のNTLMv2を使用するようにする方法です。

前者はつまるところ元に戻す事に他ならず、これだとクライアントは何ら変更を要せず、サーバの設定だけを変えればいいので簡単なのですが、NTLMv1はあまりに脆弱な事が既に明らかになっているので、一般にはあまりお勧めは出来ません。まあ、デフォルトで無効にされる位には危険なものだという事なのです。少なくとも、オープンなネットワークに接続するサーバで本認証方式を一般に有効にするのはやめた方がいいでしょう。そもそもXPのPCからの接続が必要になる頻度も減っているわけだし、新しい方に合わせた方がいいだろう、という事で、後者のXP側の設定を変更してNTLMv2に切り替える方法を取りました。その手順は下記の通りとなります。

<NTLMv2設定方法>

[コントロールパネル]-[管理ツール]-[ローカル セキュリティ ポリシー]の設定画面中、[セキュリティの設定]-[ローカル ポリシー]-[セキュリティ オプション]の中にある[ネットワーク セキュリティ: LAN Manager 認証レベル]を開きます。


表示されるダイアログの[ローカル セキュリティの設定]タブ中に認証レベルの設定項目があります。デフォルトでは、[LM と NTLM 応答を送信する]になっている筈。


これを、[NTLMv2 応答のみ送信\LM と NTLM を拒否する]に変更。これで、認証方法がNTLMv1からNTLMv2へと切り替わります。


変更後、再起動して完了。以降はsambaの認証が従来通り可能になっている筈です。

ちなみに、危険を承知でsamba側の設定を変更してNTLMv1を有効にする方法は、smb.conf中の適当な所にntlm auth = yesを挿入するだけです。

というわけで、元通りネットワークドライブ等にも接続出来るようになったのでした。しかし、毎度の事ながらsambaには難儀させられますね。本件の仕様変更も、セキュリティホールを塞ぐという正当な理由がある事は理解出来るのですが、何の説明もなくいきなり接続出来なくなり、原因の調査からしなければならず、そのかかる手間や迷惑具合は、ユーザからしてみればおよそ不具合と何ら変わりないわけで。とても困りますし、どうにかならないものでしょうか。ならないんでしょうね。ともあれ、今回はこれでおしまい。

※ なお、今回の事象の調査過程でログ等を見ていて気がついたんですが、mangle関連でエラーが出るようになっています。obsoleteになってしまったんでしょうか。そうだとするとちょっと困るわけですが、さてどうしましょう。。。

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4/18/2017

[note] ubuntu17.04導入

春ですね。ubuntuユーザには恒例のアップグレードの季節です。今回のバージョンは17.04で、コードネームはZestyZapus、ピリッとしたトビハツカネズミさん(北米在住)です。ここ数バージョンは段々とファンタジー色というか不思議生物感が薄れて来ていたところでしたが、ついに完全にリアルな動物になってしまいました。つい先日モバイル版及びUnityの終息が発表されたところでもありますし、夢を見る時間は終わったという事でしょうか。

その辺の枯れた感じはReleaseNoteを見ても明らかです。Server版はopenstack等を中心にそこそこの数のアップグレードがありますが、Desktop版については実質的にカーネルの更新(4.10)のみで、新バージョンにする意味は殆どありません。プリンタ周りの一部ドライバーレスプロトコル対応で恩恵を受けるユーザは極めて限定的です。カーネルの変更に伴い、swapのファイル化(パーティションが不要)に対応した点は注目すべきでしょうけれど、後方互換性を考えると実際に使う気にはなりません(というか、本機能の使用は新規インストール時限定です)し、そもそも大半のユーザにとってはどうでもいい話でしょう。

これならば様子見する必要もないだろう、ということで速やかに適用してしまうことにしました。今回の対象はノート3台にデスクトップ(サーバ含)2台。全てアップグレードです。いつものようにupdate-managerから適用し、数件の設定ファイルの更新について応答しつつ待つこと数十分、いずれも特に問題もなく完了しました。動作確認した限りでは、特に問題はありません。前回酷い目に遭ったtcshのバグの再発もなし。前々回のIMのような不具合もなし。これは今回の変更内容からすれば当たり前の結果というべきであって、前回や前々回の不具合の方が本来ありえない話だったというべきなのでしょう。

不具合がないのはいいのですが、それはやはり変化自体がないからであって、いよいよもって新リリースをする意味自体がない感じに。。。Server版を更新する意味と必要はあり、その際にServer版とDesktop版とを乖離させるわけにもいかないという事情から、アップグレード自体を取りやめるのは困難という事情はあるのでしょうけれど、Desktop版ユーザにとってアップグレードは最早手間がかかるだけの無意味なものになってしまっています。かといって上げないでいると、いざアップグレードすべき時になってスキップ出来ずに何回も繰り返す羽目になったり、あまり長く間を空けすぎると、ギャップが大きすぎてトラブルが起きたりするしでままなりません。何とかならないものなのでしょうか。ともあれ、今回はこれでおしまい。

(追記)

アップグレードをしたサーバ(samba)に、winxpのPCから接続出来なくなる問題が発生しました。これはsambaのバージョンアップ(4.5.2)に伴い古い認証方法が無効にされていたためで、対処は簡単ですが冷や汗ものです。困りますねこういうのは。

[note] samba4.5.0以降でwinxpから接続出来ない問題の対処について

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4/15/2017

[biz law] 自動ブレーキ試乗デモ失敗で衝突事故

欠陥機能を見切り発車的に載せる自動車メーカーが悪いのか、それともそれに騙される方が悪いのか。いずれにしろ、またやらかしたそうです。今回は千葉にある日産ディーラーの試乗車(セレナ)で、公道を試乗中、前方で停車している車がいる場面で、あろうことか自動ブレーキを故意に働かせようとして敢えてブレーキを踏まないよう運転している顧客に指示したところ、動作せずそのまま前の車に衝突、衝突された車に乗っていた人が軽傷を負ったんだそうで。

無論故意ではないものの、補助機能に過ぎない自動ブレーキ機能の動作の特性を誤解し、事故の危険が伴う違法な指示を出したディーラーの担当者は無論第一に有責であり、おそらく自動ブレーキ機能について知識も乏しかっただろう運転者にも、漫然と指示に従うのみで、自動ブレーキが効かなかった場合に備えて通常のブレーキを動作させられるよう備えておかなかった過失が認められるわけで、いずれも犯罪となります。過失傷害と注意義務違反でしょうか。公道上で事故を起こした責任は、決して軽いものではありません。

本件は、以前マツダのディーラーが同じく自動ブレーキのデモに失敗してフェンスに突っ込んだ件とほぼ同じ事情によるものですが、あれはディーラーの私有地内での単独の物損事故であり、結果的にはまだディーラーの自己責任と言えるものでした。それと比べても、他の車を損壊させ、また人身に被害も生じさせた本件は過失の程度が高く、責任も遥かに重いものと評価すべきところです。

自動ブレーキが作動しなかった理由は天候不良等によるものとされているようですが、そんな事は何の言い訳にもなりません。その程度で動作不良を起こすような、全く信頼に値しない欠陥機能を登載して売りにしているところからして、安全性が何よりも重要な筈の自動車のそれとして不適切だと言わざるを得ないところですし、それ以上にそのような稚拙な機能を完全なものと思い込み、顧客をして事故を起こさせ、何の関係も落ち度もない他人をして被害を被らせるなど言語道断です。

しかしさらに恐ろしいのは、現行セレナが売りにしているのは自動ブレーキ機能のみではなく、より総合的な自動運転機能の登載を謳っている点にあります。一般に自動運転機能、という表現が意味するところは、自動ブレーキ機能以外にもオートクルーズや自動駐車等様々ですが、それらに共通する必要条件として、当然ながら車の周囲の状況、先行車、対向車、歩行者も含む障害物等、およそ全ての状況を把握出来る事が必須になります。そこに誤り、特に見落としや誤認は絶対にあってはなりません。絶対にです。特に走行中であれば、最低限前方の状況の誤認識は許されません。でなければ即事故を起こしてしまうからです。

しかし、今回の事故ではよりによって前方車を見落としてしまいました。見落としをした時点で、衝突事故の発生は必然の結果であったという他ないわけですが、最も基本である筈の、至近距離にある前方車の認識にすら失敗するようでは、より複雑で、速度等シビアな環境で正確な認識を要求するだろう他のアクティブ系の機能が動作すべき時には、なおさら失敗の可能性は高いものと考えざるを得ません。機能が自動ブレーキだけで、かつドライバーが運転を誤った場合等の補助的なパッシブ機能としてのみ動作するのなら、まだ積極的に有害とまでは言えないかもしれませんが、そうではないのです。その他の、能動的な動作を主とする機能に誤動作の可能性が高い、というのは致命的で、到底許容出来る筈もありません。結局のところ、セレナの自動運転機能はきわめて危険なものと評価せざるを得ないでしょう。

当然ながら、いくら便利で先進的な機能でも、その動作に事故の危険を伴うのであれば無意味です。それどころか有害と言えるでしょう。まして、今回のように雨天という当たり前に生じる状況になった位でその誤動作が生じ得る、というのでは話になりません。のみならず、その危険性を十分に認識し、さらに顧客へ周知させる義務を負っている筈のディーラーの担当者ですら全く理解すらしていない、というのでは。。。高速走行中等でなくてまだ良かった、というべきなのでしょう。実際、米ではTesla Model Sで既に死亡事故が起きてしまっています。そのような、取り返しのつかない重大事故が起きてしまう前に、登載自体取りやめるべきだと思うのです。

しかし、日産は無謀にも2020年までの一般道での完全自律自動運転車の実現を掲げているわけで。その目標の経営方針における位置づけの重要さ加減からすれば、おそらくは強制されない限りそれを取り下げる事はせず、従って今回の、比較的軽いと言えるだろう被害の発生程度では防止には動かないのでしょう。そうであれば、その無謀が犠牲者を生むだろう事は殆ど避けられない必然であって、そうと知りつつも避ける事すら困難な現状には、暗鬱たる思いを抱かざるを得ないのです。

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4/11/2017

[biz law] 監査なしの決算発表という違法行為

東芝の再延期された2016年度3Q決算の発表予定についてですけれども。またしても正気を疑うような話が流れているのは一体どういう事なのでしょうか。

本決算について、先頃破綻した米原発子会社Westinghouseの会計粉飾疑惑に絡み、監査法人が過年度に遡って再度監査する必要があるとの見解を取っているために監査が完了せず、そのため決算発表が出来ないだろう見込みとなっている事は周知の通りなところ、監査意見なしでの決算発表をしようとしているんだとか。東芝経営陣以外の誰もが嘘だろと思ったんじゃないでしょうか。

法が上場企業等の大規模な法人に資格者による監査を義務付けている趣旨は、誤った会計情報の流布及びそれによる市場の正常性・公正性の毀損を防止し、投資家をはじめとするステークホルダー、ひいては社会経済全体を保護する事にあります。しかるに本件で監査法人が適正意見を付けられない理由は、今回の決算の基礎たる過去の決算に不正があったとの疑義が強いためであって、すなわち現時点での東芝の作成した決算に重大な誤りが存在する可能性が極めて高い事は明らかです。それを発表するという事は、法が保護しようとした市場・経済の安全をあえて毀損しようとする、明らかな違法行為と解さざるを得ないものなわけです。それを承知で発表に及ぶ以上、仮に過年度の決算訂正等が実際に行われた場合、東芝経営陣はそれに絡んで生じた損害の賠償等、不法行為に基づく法的責任を問われる事になるでしょう。

3回の決算発表延期は前例がなく、さらに延期したとしても次の期限になるだろう一ヶ月後に 適正な決算を発表出来る見込みが立たない現状、本決算を発表しなかった場合にそれを理由として上場廃止の措置が取られる可能性はないとは言えないだろう事から、形式的にでも決算の提出をしておきたい事情はあるのでしょうけれども、そうだとしても、市場の安全性はそのような東芝の事情、利益とは比べるべくもなく侵すべからざるものなのであって。

既に現時点で東芝に関連するその辺の市場の公正性は失われているのだから、この上に不正な決算が発表されたところで今更実質的な損害は発生しない、という見方も出来なくはないのかもしれませんが、それを言ったらおしまいというか、それを認めるならば、今回の決算の発表云々以前に、東芝は既に上場廃止に相当するものと言わざるを得ないわけなのです。

いずれにしろ、監査なしの決算など百害あって一利なし、そんなものを公表する位ならいっそそのまま潰れてしまった方がいいだろうと思うし、それを強行しようとする東芝には改めてその狂気に戦慄を禁じ得ないところなのです。もう諦めていいんじゃないでしょうか。

(追記)

・・・等と思って見ていたら、真逆の監査法人交代方針発表がなされたわけです。何という本末転倒。そもそも東芝規模の、しかも現在の収拾のつかない惨状を前に引き受ける余力のある監査法人が存在するのかも不明だし、仮に見つかったとしてもその監査にどれだけ時間がかかるか、と考えると、3Qどころか期末決算までもを実質的に諦めたものと受け止めざるを得ないわけですが。東芝経営陣は一体何がどうしてそんな方向にいっちゃったのか、と考えると。。。まだ他にも明るみに出るとまずい話がある、とかそういう事なんでしょうか。それこそ刑事罰に直結する類の。解体もさらに進んでるし、もうどうにもなりませんね。

よく考えてみれば、監査法人変更の理由は上記の通り過年度決算の見直しの是非であるだろうところ、その見直しがなされた場合、前年度以前から債務超過にあったという事になります。そうすると、債務超過になった時点以降になされた配当は違法配当にあたる事となり、経営陣はその一人あたり最低でも数十億にはなるだろう配当の返還義務を負う事になります。また、今回発表してしまった監査なしの決算につき、その誤った情報を流布した事に伴う責任も当然に負う事になります。いずれも自業自得、というか後者についてはわざわざ自分で罪を荷重して追い込んだ形なわけですが。。。流石にそれ位は承知の上で、毒を喰らわば皿まで的な話なのでしょうか。

何にせよ、経営陣はその大本営発表を追認して自分たちを守ってくれる、すなわち粉飾決算の共犯者となってくれるような監査法人がある、と考えている事になるわけです。・・・このような状況で?その種の不正自体は東芝の政治力をもってすれば不可能ではないのでしょうけれど、そうだとしても、それをこれだけ注目が集まっている中で堂々とやってしまおうとしている事については、もはや正気ではない、と言わざるを得ません。

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4/04/2017

[note] K240studioの断線を修理

しばらくぶりの修理案件。今回は、AKG製ヘッドホンのK240studioです。大分前にアウトレット的に安売りされていたのを購入して、その軽さとAKGらしい素直な高音から、オープンで聴きたい時の1stチョイスとして愛用していたのですが、ある日突如として左側が鳴らなくなってしまったのです。

流石にこのまま捨てるには惜しいし、もとより気軽に買い換えるには高い代物なので、例のごとく修理を試みる事にした、というわけです。もっとも、AKGのヘッドホンは中国で製造されるようになってから随分と安くなっているみたいですけれども。本機だと1万未満で、これまた愛用しているK271とか10数年前に買った時には2万位はしたのに、今ではその辺は半値以下、それより上のクラスでも1万円台ですか。。。

ともあれ、原因が断線なのは明らか。何処で断線しているかが問題です。何はともあれ確認。まずコードを交換してみたところ、変わらず。というわけで、内部だろうと。内部配線へのアクセスは、ケーブルコネクタの脇、外側から行なうようになっています。"Made in Austria"と記載されているゴム状のU型エンブレムを剥がすと小さめのネジが2点現れます。


これを外すと現れる太めのネジも外すと、バラバラになります。この時、配線だけが繋がっている形になるので、配線にあまり負荷を掛けないよう注意します。でないと逆に断線を引き起こしてしまいますから。


注意しながらカバーを開けると、赤白2つある端子の内、赤の方がドライバから切れてしまっていました。というわけで原因があっさり確定。


後は、繋ぎ直すだけです。ただ、この配線はカバーを通す形になっているため、カバーを外して作業する事が出来ない構造になっているのですが、元の配線にはあまり長さに余裕がなく、カバーをほとんど閉める必要があるため、そのままハンダ付けするのは困難というか殆ど不可能です。


というわけで、配線を延長します。


どっちから付けてもいいのですが、なんとなく外側から。


これを、カバー等の穴を通して端子まで伸ばしてハンダ付け。


後はカバーを元に戻して完成です。ここでも配線を傷めないよう注意しつつ。


ネジを閉め、シールも貼り直して出来上がり。無事音が鳴るようになりました。めでたし。というわけで、今回はこれでおしまい。

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3/27/2017

[biz law] てるみくらぶ破産、大規模詐欺の様相を呈す

格安を謳った旅行会社のてるみくらぶ破産の件、酷いですね。

何が酷いって、同社は海外旅行を多数取り扱っていたところ、現在渡航中のツアー客については帰りの便が同社では手配出来ず、そのため自力でチケット等を確保する他ない場合があるというのです。宿泊も自動的にキャンセルされ、現地に到着して初めて宿泊の手配がされていない事に気づいた客もいたそうです。それらの被害を被っただろう、破綻時点で渡航中の海外旅行客は約2500人とか。いやはや酷い話です。

さらには、破産の数日前から、予約客に対して現金での即時の支払いを要求していたとか。これは明らかに詐欺にあたります。上記の復路や宿泊の未確保についても、その予見時期によっては同じく詐欺にあたるものが多数あるものと考えられますし、そうでなくとも確保不能が明らかになった時点で速やかに通知すべきところ、それすら怠っていた、というのでは擁護のしようもありません。

本件の悪質性は、本件の発覚が航空チケットの発券不能から始まったところ、当初はあたかもシステム障害によるものであるかの如く報じられていた点にも認められるでしょう。その際、原因が障害ではなく、単に資金がショートして支払がされなかったためだと正確に報じられていれば、まだ被害は抑制出来た筈なのですが。。。結局、破産申請するまでそれは明らかにされませんでした。債権者間の公平を図る意図があったにせよ、その債権者でもある筈の顧客の事は何一つ考慮せず、旅行業者として以前にサービス提供者としての最低限の誠意すら微塵も感じさせない所業に戦慄せざるを得ないのです。会見では非を認めるのではなく自己弁護を図ったようですし、尚更ですね。

被害に遭った人達には、御愁傷様ですとしか。いやはや恐ろしいですね。

3/23/2017

[pol law] 証人の証言を検証もせず否定する政府の反応について

先日設立認可申請が取り下げられた森友学園関連の不正疑惑の追求のため、同学園理事長の籠池氏の国会での証人喚問が今まさに実施されています。

とりあえず前半の、主に籠池氏側からの全体的な説明について拝見しました。ざっと確認したところでは、文理上の矛盾は特になく、また言及されている事実の表現、内容についても、明らかに不自然と言える点はないように見えます。

内容自体はこれまで五月雨的になされてきた諸々の発言と異なるところはないものですが、今回のそれはこれまでの私的な状況での一方的な発言とは異なり、宣誓を経た証人として偽証罪に問われるリスクを負っての尋問を受ける中での発言です。そこに明らかな矛盾等が認められない以上は、ある程度の、少なくとも主観的な真実性が担保されるものと考えるべきでしょう。無論証明されるわけではなく、虚偽を述べている可能性もあるわけですが、通常はそれを判断するために、さらに詳細な検証に進むべき状況でしょう。例えば通常の訴訟なら、その証言中の個々の事実について真否等を検証するため、さらに尋問をするなり、言及された人物を証人尋問するなりされて然るべきところです。

なのですが、菅官房長官はじめ政府側は検証を経る前に頭から否定する旨の声明を出しています。根拠は特になく、従って籠池氏が偽証をしていると断定するものに他ならないわけですが。。。これはどうなんでしょう。証人として呼び出したのは政府側です。それに応じ、宣誓も経た上でなされた、明らかな不備が認められるわけでもない、むしろこの種の尋問では異例と言えるだろう程に具体的で詳細な証言を、政府側の主張するところと整合しないからと言って、頭から特に根拠もなく否定するというのは、いささか軽率かつ理不尽に過ぎると言わざるを得ないと思うのです。事実上、一個人に対し、政府の意に沿う証言を強制するも同然の圧力を掛けるものでもあるでしょう。

当然ながら、そのような圧力等がかかるようでは、そもそも証人喚問手続の正当性が損なわれ、そのかかった労力等諸々が無為に帰してしまうことでしょう。あるいは虚偽の証言により冤罪が生じるやもしれません。厳に慎まれるべきことです。

思うに、政府は本件に関してあまりに結論ありきで、それを担保するための事実の検証等の手続を軽視し過ぎているように見えます。少なくとも、首相夫人と籠池氏ならびに森友学園が密接な関係にあった事は疑いようがないのだし、その時点で本件で生じている諸々の疑惑も、根拠なしと頭から否定するには無理がある事も明らかなわけです。そうである以上、個別の証言等を個別に否定しようとするのではなく、疑惑が否定されるにせよ肯定されるにせよ、全ての事実を明らかにする事で、包括的に処理すべきだろうと思われるところ、政府の対応は真逆なわけで、これでは収拾のつけようがないだろう、と思わざるを得ないのです。

もっとも、証人喚問が当初門前払いされていた時の対応ぶりを見るに、政府・与党側に後ろ暗いところが多々ある事はほぼ確実なのだし、もとより事実が事実として明らかになれば終りで、従って事実に沿う証拠も発言も頭ごなしに否定し、証人には偽証を強いる、すなわち強権を以って事実を否定する以外にその責を逃れる術がない、というだけの事なのかもしれませんけれども。だとしたらあまりに救いようがなく愚かな話、という事になってしまうのですけれども。。。

[関連記事 [pol law] 強弁と虚言の稲田朋美防衛大臣を擁護する首相・与党の狂気]

3/14/2017

[biz] 為すすべなく崩壊する東芝に明日はあるのか

Q3決算の延期、また同時に発表された無謀という他ない半導体事業の部分的売却決定から早1ヶ月。このわずかな間にもさらに積み上がる損失を前にして、あれよという間に規定路線となった半導体事業全部の売却に加え、原発事業の破産処理及び連結外し。明らかになったLNGの先物取引に伴う巨額の損失リスク。当然のように再延期され未だ確定しないQ3決算など瑣末な事に思えるような、どれ一つ取っても単独で致命傷になりかねない巨大な損失が積み重なり、それに流されるままにグループの解体が進んでいく惨状には最早言葉もありません。

今現在の報道を見る限り、世間一般の現在の焦点は上場廃止になるかならないか、その当否にあるように見えますが、中核事業を手放したとしても補填出来るか不明な程に積み上がる損失を見る限り、現実として既に上場云々を問題にしている場合ではなく、東芝という事業体そのものが破綻するかしないかの瀬戸際に立っていると言わざるを得ないわけです。

仮に事業売却による損失の穴埋めが失敗すれば終わりですし、もしそれに成功したとしても危機の回避には程遠く、会計的にも事業ポートフォリオの面でもその後の事業の継続に疑義が付く事も避けられないでしょう。そして何より、このような組織が崩壊していく惨状を前にして、人材の流出が起こらない筈はありません。今のところその辺は特に表立ってまとまった規模の流出は伝えられていませんが、これまでの会計的な計算上の危機のみならず、組織面でも崩壊の危機に直面する、あるいは既にしているだろう事はおよそ疑いようのないところです。それでなくとも同社は近年リストラを連発し、賞与のカット等して待遇も悪化させていたところなのですし、能力・実績のある人材は、余程忠誠心が高いだとか特別な理由を有しているのでない限り、自身の将来を再検討せずにはいられないでしょう。引き抜きの類の動きも活発になっているものと考えられます。

しかし、伝え聞く限り、そのような状況にあってなお経営陣は、およそ事業を売って現在の損失を穴埋めする以外、何もしていません。もっとも、あれだけの規模の事業売却ですから、それをこなすだけでも大変な労力を要するだろうし、それ以外の事まで手が回らなくなっても仕方ないと言えばそうなのかもしれませんが。それでも、不正を含め無茶な指示にもただ粛々と従う事だけを強いられてきた社員に今更自主的な改革を期待できよう筈もないし、社員の側からそのようなアクションを起こした場合に生じうるリスクを侵す義理を感じる事もないだろう以上は、経営陣が裁かないと回らないだろうところなわけですが。というか、元より不正の後始末として組織とそのガバナンスの改革もしなければならないわけで、それは当然経営陣がやらなければどうにもならない話なのであって。でもそれどころではない、という。やっぱりもう駄目なのかもしれませんね。いやはや。

しかしこれ、対処するなら何処からどう手を付けるのがベストなんでしょう。外側から見る限り、組織の基盤自体がぐちゃぐちゃな上に、解体も急速に進められているわけで、事業や組織の統廃合等をしようにも動かしようがないですよね。こういう状況だと誰も彼もが保身に走るだろうし、普通に考えてもうどうしようもないような。。。内側から見ればまた違うんでしょうか。おそらくそんなわけはないだろうと思いつつ。

あと、原子力を連結から外すべくWH株を売却する旨発表されていますが、どうやって売るつもりなんでしょう。現状だと、少なくとも数千億程度を支払って引き取ってもらう形になるだろうし、それでも業界の現状からして引き取り手の候補が居るかも怪しい位な筈なのですが。ほんとわけがわかりません。破綻させてから譲渡する、と言うのは簡単ですが、それにかかる時間と発生する損失を考えると、処理が終わるまでグループが持たないんじゃないでしょうか。

[前記事 [biz] 時間切れ濃厚な東芝の惨状に改めて戦慄]

[pol law] 強弁と虚言の稲田朋美防衛大臣を擁護する首相・与党の狂気

森友学園を巡り、その右翼的な方針・姿勢等への共感ぶり等から、かねてより疑われて来たところの現政権またその閣僚の面々の関与、その疑惑について、これまでは直接の関与は疑われつつもかろうじて疑惑に留まっていたところ、ようやく確たる証拠が明らかになったようですね。

今回森友学園との関係が明らかになったのは、稲田朋美防衛大臣です。報道によれば、10年余り前、学園が提起した訴訟につき当事者の訴訟代理人として出廷した記録が呈示されたとの事。訴訟代理の引受については従来より疑われ、当然に国会の場で追求もされて来たところ、あくまで名前を貸しただけで実際には代理しておらず、従って関係はない、との苦しい答弁をしていた事は周知の通り。しかし今回の記録は森友学園を代理しての出廷記録ですから、実際に訴訟を代理した事を直接に示すものに他ならないわけです。本件記録が全くの虚偽もしくは誤りであったとかいうのでない限り、言い逃れのしようもないでしょう。

これにより稲田氏本人については、10年以上前から法人としての森友学園の訴訟代理を引き受ける程に密接な関係にあった事が明らかになってしまいました。これまでの発言が虚偽であった事も加えれば、本件疑惑の主たる要素であるところの国有地の不自然な程の廉価での売却や異常に速い認可手続等、不正・不法行為への関与の疑惑も決定的なものになった事もまた明らかです。

そして、これまで稲田氏同様に関与が疑われてきたところの、安倍首相本人をはじめとする自民党内で右派に属するとされる面々についても、連鎖的に疑惑が決定的に強まる事は避けられないだろうし、また同時に彼らを擁護すべく籠池理事長らの国会招致等の追求を妨害して来た与党への疑惑もまた生じざるを得ないものと思われるわけです。あれですよね、自民党の面々はこの辺全部知ってたんでしょう?本件はもとより国の財産に絡む話で、問題の重大さも明らかなのにも関わらず、その調査すら頑なに拒絶する様は異様と言うしかないものでしたし、知らなかったとは到底考えられない動きでしたから。

少なくとも、これからしばらくの間は本件問題が鎮まる見込みはないだろうところ、そこでは一体どのような事実が明らかになるのか、流石に注目せざるを得ないのです。

また周知の通り、同学園については国有地を巡る財産的な不正の他にも、その教育方針、すなわち同法人が経営する幼稚園での教育勅語暗唱に代表されるところの戦前回帰的な天皇主権思想及び全体主義に立脚し、人種差別をもあからさまに是とする洗脳教育について、違憲の疑いが強く指摘されるところです。現政権の多くが多かれ少なかれ同様の右翼的なスタンスを取っている事から共感を示して来た事もまた周知の事実であり、その意向が強く反映された改憲を図る動きも鮮明となっている現状、本件の行く末は、この種の極右的教育とそれを後押しする政治家らの思想・姿勢、それに基づく今後の憲法はじめ法のあり方について、決定的な意味を持つ可能性がある、と言えるのではないでしょうか。その意味で、イデオロギーに関する話だからと議論を避けるのではなく、この機会に諸々の問題について正面から追求がなされる事を期待したいと思うのです。教育勅語を斉唱する幼稚園児とか、この種の思想の狂気をわかりやすく見せる例が出来た事ですしね。

そういえば、稲田氏はこの問題に関連して、教育勅語の肯定を公言していたのでした。"朕惟フニ・・・"で始まり、"我カ臣民・・・"等と、明らかに天皇主権と全体主義に塗れ、戦前・戦中の狂気を象徴する本令を、事もあろうに公の教育を通じて幼児に刷り込む、その行いを肯定した事になるわけです。その意味を十分に理解しての発言なのか、そうでないのか、いずれにせよ個々の人権を普遍的なものとして尊重する意思が多少でもあるのなら、少なくとも教育の場に持ち込んで良いものではない事位わかりそうなものですが、その分別もつかないという事自体が、氏とその振る舞いを肯定する現政権の狂気を証明しているものと言うべきなのでしょう。恐ろしくも残念な事です。

3/10/2017

[biz] 6倍値上げで非難のEpiPenに価格1/60の競合出現でシェア崩壊

昨年あたりから主に米国で社会問題化していたところの、医薬品の価格高騰とそれを主導する医薬品メーカー各社への非難、またそれに対する法規制の議論、その契機となりまた象徴ともされていた米Mylan社のEpiPenについて、今年に入って大きく事態が動いたようです。

まず、EpiPenは、アナフィラキシーショックや小児喘息等の治療薬として用いられるホルモン剤であるところのepinephrine(通称adrenalin)を、その投与を容易にする注射機器に封入したものです。このepinephrine自体は既に特許切れでgenericとなっているのですが、注射器の構造の方の特許をMylan社が保有しているため、製品としてはMylan社の専売となっています。当然ながら注射器部分を異なる構造にした製品も複数存在してはいたものの、昨今米製薬業界でよく行われているgeneric品製造業者を次々に買収していく手法を取ることで独占状態を維持し、その立場を濫用して競合を駆逐して高価格を維持、というかそれに留まらず短期間の内に大幅な値上げを続けていたものです。具体的には2009年に$100程度だったのが2016年には$600を超えており、その値上げ幅は実にここ約500%、6倍にもなる高騰ぶり。当然ながら患者の中には高価になったEpiPenを購入するために困窮に陥ったり、購入出来なくなった者が続出し、他の超が付く程高価な新薬の頻発と共に、社会問題化して各方面から広く非難の声が上がったわけです。

で、急激に高まった非難の声に押される形で、Mylan社は自社で半額程度の互換品を出しはしたものの、解決されたとは到底言えない状況にあって非難の声は一向に治まらず、Trump大統領も薬価の大幅な低減を目指す旨公言している事もあり、その行方はさらに注目を集めているところです。

なのですが、今年に入って、競合製品が格安で発売されたところ、雪崩を打ってユーザがそちらへ移行していて、このまま行けば今後数か月の内にEpiPen(とMylan製の互換品)は駆逐される見込みになっているんだそうです。

どういう事なのか、と確認してみれば、有力な競合製品2種の一つであるImpax Laboratories社のAdrenaclickについて、価格が$110に引き下げられ、Mylan製の互換品よりも大幅に安くなっていたところ、さらに被保険者向けにメーカーから$100引のクーポンが発行されるようになったんだそうで。これを用いれば、実質の価格は$10ドル、EpiPenの60分の1になるわけです。なお被保険者の大半はクーポンを適用出来、また米薬局チェーン最大手のCVSがAdrenaclickを常時在庫を保持するようになったこともあり、事実上大半の患者がこの価格で購入出来るようになった、とされています。

この価格差のインパクトは極めて大きいものでした。今年に入ってから2ヶ月の間に、EpiPenのシェアは95%から71%へと激減し、減少分のほぼ全てがAdrenaclickへと流れた格好だとか。勿論これで終わったわけではなく、早晩、ほぼ全てのユーザがAdrenaclickへと流れるものと予想されています。このクーポンが何時まで発行され続けるのかは不明ながら、Mylan社製品の寡占状態が解消された時点で、少なくともEpiPenの暴利とそれに関連する問題は事実上終わったものと考えて良いのでしょう。

勿論、社会的には歓迎すべき事なのは疑いようもないのですが、あれだけ社会的に非難を受けても動かなかった本問題が、かようにあっけなく解決されてしまった事には拍子抜けというか、これから薬価決定の制度改正の議論を始めようとしていた向きにはその象徴が失われた事で少なからず困惑がもたらされたのではないかとも思うわけです。振り上げられたその拳の行き先はさて何処になるのでしょうか。

EpiPen is getting crushed by a $10 copycat

3/07/2017

[biz] ヤマト運輸が荷物量増大対策に運賃値上げ、の意味不明

ヤマト運輸が運送料の値上げを検討しているんだそうですが、解せません。

報道されているところの理由は、アマゾンを中心とした通販の利用拡大による荷物量の増大にリソースが追いつかない現状を打開するため、とされています。解決ではなく打開という曖昧な表現を使っているところからして怪しい感が漂うところですが、それもその筈、単価の値上げはあくまで値上げに過ぎず、荷物量の減少には必ずしも繋がらないものです。

昨今盛んに報道される物流現場の疲弊についても、そこで問題とされているのは社員の収入不足等による困窮ではなく、荷物の量が処理能力を超えつつあり、しかし処理能力すなわちドライバー等の人員の増強が追いつかないという、純粋にシステム上のリソース面の不足のみです。そうである以上、単価を上げて収入を増やし、これを原資に人員の給与を増やしたとしても何の解決にもなりません。増えた収入を原資に待遇を改善して人員を獲得しやすくする、という考えはあるのかもしれませんが、リソース不足が運送業界全体の構造的かつ慢性的な現象である以上、多少給与を上げたところで劇的な改善がされるとは到底考えられません。単に人員の取り合いが激化し、それによってコストが上昇するだけで、本来の問題である人員不足は解決されないままに終わるものと予想されます。

リソースの大幅な増強は困難である以上、人員を増やさずに解決する必要があるわけですが、それには、荷物量自体を減らす以外に手段はありません。ヤマト運輸は、値上げをすれば自然と荷物が減ると期待しているのかもしれません。しかし、運賃の値上げをその手段とする考えは物流業者のそれとしては明らかに誤りです。それは顧客に必要以上のコストを課す事で、法人の事業であると個人の日常のやり取りであるとを問わず、顧客の活動を広く制限しようとするものであって、広く社会経済を害する性質を帯びる上に、そもそもの原因が自社の体制の不備に起因するものでありながら、それを顧客に転嫁するに留まらず、さらに不当な利益をも得ようとするものだからです。反社会的であるとすら言えるでしょう。

昨今の、特にヤマトの荷物量増大は、アマゾン等の法人の通販事業の急激な成長が主要因である筈です。しかるに、多少運賃を値上げしたところでアマゾンがその事業を(数割程度も)縮小しようとするとは到底考えられず、従って値上げが荷物量の増大に対し効果が見込めるとも言えないでしょう。であれば、運賃の値上げ等という迂遠な上に実効性不明かつ不当な手段に及ぶのではなく、それらの荷物量が増大している業者間の契約を見直し、一日あたりに引き受ける荷物量に上限を設ける等すべき話なのです。それが出来ない、というのであれば、いずれにせよその量の処理は不可能であって運送契約を履行出来なくなるのだから、佐川のように契約を打切るべきでしょう。

もっとも、ヤマトもそういった理屈が通らないところは全て承知の上で、単に運賃を値上げするいい機会と捉え、リソース不足をその建前として利用しようとしているだけなのかもしれませんけれどもね。だとしたらなおさら残念な話と言わざるを得ないわけなのですが、さて。

宅配便、27年ぶり値上げ=個人向け含め全面的に-ドライバー不足深刻・ヤマト運輸

2/15/2017

[biz] 時間切れ濃厚な東芝の惨状に改めて戦慄

見るに耐えない惨状を呈している東芝の件ですけれども。色々無茶なスケジュールで事を進めようとしていた上、ここに来ての2016Q3決算の延期は致命傷だと思うのです。しかもリスク要因も増えて下方修正の可能性ありとか。。。これはもう間に合わないんじゃないでしょうか。

今現在の東芝の目標というか再優先事項は、今年度決算すなわち2017年3月末における債務超過回避にある事は明らかなところ、既にQ3において少なくとも2000億程度の債務超過が確定している以上、あと40日強でそれを解消するだけの大規模な資本調達が必要になるわけです。

その手段は、(事実上)半導体事業への外部資本導入しか残されていません。そしてその実現のためには、同事業の分社化すなわち新設分割の手続を踏む必要があります。同社における同事業の規模比率からして、簡易の手続による事は出来ませんし、株主総会の特別決議等を得る必要があります。また、設立会社へ承継させるだろう工場を含む資産等の内容から、債権者の保護に関する手続も必要になるだろうところ、その手続には公告等のため計画策定から最低でも1ヶ月以上の期間が必要になります。

で、その策定すべき分割計画には、資本金や承継する資産・人員等の設立会社自身の構成は無論の事、株式の割当すなわち外部の出資の内容も含まれます。出資を受ける相手を選定し、割り当てる株式の内容、出資比率、一株あたりの出資額、役員を受け入れるならその構成等の条件をも固めなければなりません。従って、3月末までに手続を完了させるには、それらの膨大な内容の決定を2月中に、すなわち残りわずか2週間の間に完了させなければならない、という事になります。承継させる全ての債務を東芝本体が連帯保証するというなら債権者保護は省略可能ですが、それでも株主総会決議の2週間前まで、すなわち3月半ばがデッドラインとなります。なのに、延期された決算の発表日時は3月14日という。

そもそもこんな質的にも規模的にも重大な案件、しかも将来の譲渡も見据えた新しい協業の相手や条件等までもを短期間で選定・決定する事自体が困難極まりない話です。無謀とさえ言えるでしょう。そこに加えて、その検討及び判断の前提となる直近の決算すら確定出来ていないというのでは、出資を検討している相手方候補各社も不確定性が大きすぎて決めようがないだろうし、率直に言って話にならないと言わざるを得ないと思うのです。

そのリスクをカバーするとでも言うつもりでしょうか、将来の過半数の譲渡にも言及されていますが、諸々の規制絡みで今年度末までに出資可能な範囲は20%未満である事に変わりはない以上、相手方にしてみればあまり意味はないでしょう。むしろ、この段階でそんな事を言ったらより一層足下を見られて、あるいは一気に丸ごと乗っ取られかねない話だろうわけで。

それで足下を見られまくった条件で半導体事業を売り飛ばし、債務超過を回避したとして、何の意味があるというのでしょうか。残るのは、未だ底の見えない泥沼と化した原子力事業と、成長余地に乏しいインフラ事業と、他社に明らかに劣る脆弱なITサービス事業位です。もはやその損失を補填する事もままならず、原子力事業を手放すまで債務超過の危機を繰り返す様が目に見えるようですが、東芝経営陣は、それでいいと本気で思っているのでしょうか。貧すれば鈍す、と言うにも程があるでしょう。恐ろしい話です。関わりあいのない第3者の立場で良かったと、心から思わずにはいられません。

およそ全てにおいて場当たり的な対応に終始して来た事がこの破綻した帰結に導いたというか、そもそも破綻を云々出来るだけの計画性自体が無く、通常なら当然にあるべき準備も保険も選択肢も何もないままに目先の取り繕いに汲々とするばかりで一年先の事すら考慮しない、という信じ難い振る舞いを続けた必然の結果と言うべきなのでしょう。ここまで酷いと、教訓にするのも難しい感じで、ただひたすら距離を取って巻き込まれないようにする位しか仕様がないんじゃないでしょうか。最早その影響を逃れる事も困難な位に関わってしまった利害関係者も多数いるだろうわけですが、東芝のその有様を見て、それでも関係を持ち続けた自身の愚かさの報いを受けるだけの事、同情は無用だし、するべきでもないのでしょうね。実際どうしようもないし。くわばらくわばら。

[前記事 [biz] メモリ事業を売って原子力を残す、何処までも場当たり的な東芝]

2/14/2017

[biz] ニコンDLシリーズ発売中止、瀕死の同社コンデジ事業

Nikonがコンデジの新シリーズDLの発売を中止しちゃったんだそうで、大騒ぎです。

それも当然でしょう。同シリーズは同社のコンデジ製品における新たなフラッグシップとして、CoolpixのPやA等、ハイエンドカテゴリを丸ごと承継する、少なくとも今後数年間における同社コンデジ事業の利益の大半を稼ぐべき主力と位置づけられていたものであり、それを中止するというのは殆どコンデジ事業自体からの撤退を宣言したに等しい決定とも理解出来てしまうのですから。

それに、元々の発売予定日は半年以上前で、それが延期されている状態でした。ということは、当然ながら開発・生産・広告等諸々の投資は実行された後であり、そこに遅延による追加の費用までもが積み上がっているわけです。そこまで突っ込んだのにも関わらず、回収を諦めて撤退してしまうというのは、如何なる企業であれそう簡単に出来る筈もない話です。普通に致命傷になりますからね。

にもかかわらず、このような決断をせざるを得なくなった理由は何か。発表されたところでは、プロセッサの不具合とのことですが、センサーの生産上の問題ではなくプロセッサというのは極めて珍しい話です。デジカメのプロセッサなんて殆どの機能は枯れているものだし、技術的な問題が生じたとしても普通なら修正自体はそれほど困難とは考えづらいところですが。。。何が起きたというのでしょう。謎は深まります。

といって、そこは推測するしかないのですが、考えられる理由は幾つもあります。

既に発表済の製品情報によれば問題のプロセッサはExpeedの新型である6Aですが、基本的にその開発・生産は昔から富士通に委託して来た筈なところ、富士通のLSI事業は少し前にリストラされましたから、現在はおそらくそこがパナソニックのLSI事業と合併して出来たソシオネクストが担っている筈です。デジカメ関連ではニコンと競合するパナソニックの資本が入った事が本件プロセッサの開発・生産に影響した可能性はあり得るでしょうし、そうでなくとも独立した事で案件毎の採算に厳しくなり、そこに開発上のトラブルや市場の動向を踏まえた生産数見込みの下方修正等が入れば、不採算案件として手を引く決断がされたとしても不思議ではない、とは言えるでしょう。

他にも、ニコン自身がリストラの真っ最中で、キーマンが抜けたり部門の編成変更等で開発・生産体制に不備が生じた可能性も相当にあるでしょうし、そもそも売り出し価格で10万円前後の高級機につき、余程の"売り"が必要な事は間違いないところ、それに乏しく、単に競合製品や自社の1シリーズ等と比べて商品力に欠ける事から事業として成立しないものと判断されただけなのかもしれません。 勿論それらの事情が重なった可能性もあるでしょう。

何にせよ、ニコンのデジカメ事業が存亡の危機にある事は間違いなさそうです。あわせて発表された2016Q3の決算資料によれば、DSLRとレンズは前年同期比で販売台数で約2割減、コンデジに至っては半減近い壊滅的な状態にあって、しかもその減少率は市場全体の縮小率より大きく、シェアも同時に低下しているというのですから。本来ならこういう時こそ新製品を投入すべきだろうところ、逆に白旗を挙げてしまった本件、このまま同社のコンデジ事業は消滅してしまうのでしょうか。個人的には結構な間Pシリーズを愛用しているので、なんとか回避して頂きたく願う次第なのですが、無理ですかね。

2017年3月期 第3四半期決算 説明資料(PDF)

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2/13/2017

[note] Ebayで在庫なしキャンセルを食らって

どうにもトラブル続きなこの頃。ebayで久しぶりに酷い目に逢ってしまいました。

何かというと、先日、ebayでとあるPCの修理用の部品を発注したんです。古いPCの部品で、国内では入手しづらいものだってので。そしたら、支払も済ませて数日後、突然sellerから一方的にキャンセル&返金されてしまったんです。

sellerの言い分は、出荷準備中に検品したら不良が見つかり、代替品も調達出来ないため、とのことでした。普通に債務不履行です。相手の言い分の真偽もこちらからでは分かりませんし、結局のところ、こちらとしては、数日を無駄にして修理が遅延し、数日分とはいえ代金を提供し、かつ当方の住所や連絡先等の個人情報を無駄に知られただけの結果となったのでした。ポジティブな要素が何一つありません。

というわけで、これは流石にnegative評価をせざるを得ない、と思ったんですが、これが一筋縄ではいかないのです。というのも、ebayのシステム上の仕様で、negative評価は取引成立から1週間経過しなければ付けられないようになっているのですね。これ自体は悪意によるnegative評価の乱発を避けるための措置という事で理解出来なくはありません。ただ、キャンセルされた取引はキャンセル後数日でmy ebayの履歴に表示されなくなり、Feedbackするためのボタンも一緒に消えてしまうため、1週間経過する前に通常の手順でFeedbackする事が出来なくなってしまうのです。

キャンセルされた取引をたかが数日で履歴から消す合理的な理由はありません。むしろ本来はその後始末のため、少なくともしばらくの間は残されるべきものでしょう。従って、この仕様はキャンセル時にnegativeなFeedbackを残す事を妨げる意図で設定されているものと理解せざるを得ないわけです。明らかに不誠実なsellerを保護しようとする、姑息と言う他ないebayの姿勢に憤りと呆れを覚えました。

ただし、この場合にもFeedbackを残す方法はあります。取引が成立した場合、当該商品のページ上部にその取引内容へのリンクが貼られるのですが、これはmy ebayの履歴から消えた後も残ります。これを辿る事で、Feedbackボタンを含む当該取引内容にアクセスする事が出来るのです。

もっとも、キャンセルされるような場合、通常は同時に出品も取り下げられ、検索等の表側からは見えなくなるものでしょうから、このやり方を使うには、あらかじめ商品のページのアドレスを控えておく必要があります。私は元々購入検討時に候補をブックマークしておく習慣があって、そのブックマークを使って辿る事が出来たのですが、まず一般的ではないでしょうし、大半のケースではFeedback出来ずに泣き寝入りさせられているものと考えられます。まあ、キャンセルされるとFeedback自体が完全に不能になるamazonよりはマシ、とは言えるでしょうか?

ともあれ。1週間経過後、上記のやり方でFeedbackにアクセスし、支払い後在庫不良のためsellerにキャンセルされた旨コメントを添えて、無事negative評価を残す事が出来たのでした。

これで終わったものと考えていたのですが。。。数日経って、sellerからメッセージが届いたのです。内容は、要するにnegative評価を取り消せ、という要求でした。取消しの対価として、商品の代金の1割程を追加返金する旨も添えられていて、どう見ても買収の提案です。

評価の売買は当然ながら不正行為につき、応じられるわけがありません。無視しても良かったのですが、勝手に入金等されては面倒とも思い、そんな不適切な提案や要求をしてはいけません、とシンプルに拒否の旨を伝え、以降コンタクトしないよう伝えたわけです。と言ってもこのような要求をしてくるような業者がそれで諦めるとは思えなかったところ、やはりというか、また数日してから何かメッセージが届いていたようでした。元々こちらに付き合う義務はない、というか純然たる被害者なのだし、とメッセージは読まずに廃棄し、本業者絡みのメッセージはメールで転送されないように設定して、以降は無視することとし、一応(こちらとしては)この案件は終了、としたわけです。

後から調べてみると、こういうnegative評価の撤回を求めるsellerって多いそうですね。色んなケースがあるようで、脅迫も普通にあるようです。それらと比べると、今回はseller側の一方的な不履行で、評価の妥当性自体は争う余地が無かったためにこの程度で済んだ、と言えそうな感じです。ebayではどのsellerもnegative評価が3%未満で、全世界の不特定多数を相手にオープンな取引をしている割には異様に高いと疑問を感じていたところだったのですが、システムの仕様上の妨害と、sellerの買収や脅迫等の賜物だったとは。。。いやはや、ホント信用なりませんね。

ちなみに、逆にbuyer側からnegativeなFeedbackを盾に金銭等を要求するケースもあるそうで。そういう行為を防ぐためには、ある程度の防止措置は必要だという事も分からないではないですけれども、しかしそれは同時に正当な評価をも妨げるものには違いないわけです。とりわけ、今回のようにFeedback自体を妨害する措置は、結局のところ、評価システム自体を無意味に帰するものと言わざるを得ません。ebayも苦労してるんでしょうし、解決の方法自体存在しない類の話なのかもしれませんが、それならそうと表示すべきです。現状のようにその評価を偏らせる仕組みを隠し、さもオープンで正当な評価のように表示するというのでは、詐欺を幇助しているものに他ならないわけですから。

ともあれ。ebayを使う時は、より一層気をつけましょう。といって気を付けてもどうしようもない面もあるし、そういう事もあると鷹揚に構えるべきでしょうか。いずれにせよなんとも面倒な事で、困ったものです。

なお、目的の品は、何とか互換品の調達に成功し、遅れたものの無事修理を遂行する事が出来ました。やれやれです。

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[note] Al Jarreau passed.

また一人、Jazzの名手が逝ってしまったそうです。既に76歳にもなっていたのですね。あの軽やかで心地良い歌声が失われてしまった事には残念と言う他ありませんが、時の流れには逆らえません。彼は、病床にあっても折りに触れてその歌声を響かせ、看護師らに大いなる安らぎをもたらしていたそうです。優しき彼の魂もまた安らかなる事を祈って。R.I.P.

Al Jarreau: Seven-time Grammy-winning jazz singer dies at 76

ふと、某ピアニストの方が、ラジオ番組で彼の曲を紹介する時、よく、"なんじゃろう、アルジャロウ"などと駄洒落を飛ばしていた事を思い出しました。程よく脱力した後で流れる心地よい音楽。とても良い時間でした。それらの良き思い出をくれた彼に、今一度感謝を捧げたいと思います。